XB9Rのカスタム作業

選択肢の少ないΦ54mmのセパハンで汎用22.2mmハンドルバーを使いたい

 

わたしのビューエルXB9Rなんですが、10年前に入手して割とすぐにハンドルバーを交換しています。

ビューエルってリッターバイクとしてはかなりコンパクトであることが話題になっていましたが(少なくとも当時は)、そうはいっても身体の大きな外国人向けに作られたバイク。車体のコンパクトさとポジションは別問題。小柄なわたしにはハンドルバーが若干遠かったのです。

そこでポジションをもう少し手前に変更できるようなハンドルバーを捜したわけですが、XB系ビューエルに適合するΦ54mmのセパハン(クリップオンハンドル)はあまり社外品の選択肢がありませんでした。アエラやFreespiritsなどのビューエル用に作られた製品はもちろん適合するのですが、いわゆる汎用品となるとRobby Moto Engineering(ロビーモトエンジニアリング)の製品くらいしかないんじゃない?って感じでした。

選択肢が少ないとはいえ、あるならそれを使えばいいだろうと最初は思っていたんですが、これらの製品はいずれも垂れ角の調整ができません。XB-S系ビューエルならそれでも問題ないんだけど、アッパーカウルのあるXB-R系ビューエルではハンドルバーの取り付け位置がめっちゃシビアになるんです。そして、ラジアルマスターなんかを取り付けると、さらに取り付けはシビアになります。シビアさを回避するには、垂れ角の調整機構が欲しい・・・。

 

 

そんなわけでわたしはこちらのノーブランド中華製セパハンを10年近く使用してきました。安価な製品ですが、垂れ角の調整ができる貴重なΦ54mmのセパハンです。今でもヤフオクなどで売っていますから、随分息の長い商品です。きっと需要も多いのでしょう。

垂れ角の調整ができるお陰で、ラジアルマスターと併用してもなんとかアッパーカウルや出っ張ったフレームとは干渉しませんでした。その垂れ角の調整はハンドルバー根元部分に回転軸が設けられている単純な構造なので、いくらきつく固定してもエイッと力を入れると割と簡単に角度が変わってしまう困ったちゃん仕様。でも、裏を返せば転倒時にすぐに力が抜けるのでハンドルバーは曲がりにくいといえるでしょう。

しかしながらこの長年使っている中華製セパハンにも問題はありまして、それはハンドルバーがアルミ製なので内径の関係上、バーエンドミラーをしっかりと固定しにくいということ。バーエンドミラーはそこそこの重量があるので、ハンドルバー内に入れるアンカー(インサート)はかなりしっかりしたものを使いたいのです。でも、アルミ製のハンドルバーの多くはパイプの肉厚が厚いので内径が小さく、しっかりとしたアンカーで寸法の合うものがなかなか見つかりません。しっかりとしたアンカーを取り付けたいのならば、肉厚の薄いΦ22.2mmのスチール製ハンドルがベストなのです。

 

そこで購入したのがこのロビーモトエンジニアリングのセパハン。

ロビーモトエンジニアリングのセパハンにもいろいろあるのですが、こいつはハンドルバーをフォーククランプに固定する部分も22.2mm。つまり、汎用のΦ22.2mmのスチール製ハンドルに交換できるはず。市販のセパハンの中にはフォーククランプに差し込む根元部分が細くなっているものもあり、そういうタイプは専用のハンドルバーしか使用することができません。同じロビーモトエンジニアリングのセパハンでも、そういうタイプがあるのでとても厄介なんです。専用のハンドルバーとなると好きなハンドルバーに交換することができないし、リペアパーツも非常に高額になります。ユーザーにメリットはあるのでしょうか?

なお、このロビーモトエンジニアリングのセパハンは先ほどチラっと紹介しましたとおり、垂れ角の調整はできません。垂れ角の調整よりも、とりあえずは汎用のΦ22.2mmのスチール製ハンドルを使える方を優先しました。

 

というわけで、目論見どおりアルミ製のハンドルバーを汎用のΦ22.2mmスチール製ハンドルバーに交換したうえで取り付けることができました。やったぜ!

これでバーエンドミラーをがっちり固定できるようになったんですが、結論だけいうとこのロビーモトエンジニアリングのセパハンはやっぱりXB系ビューエルでは使用できませんでした。詳しくはまた別の機会に紹介します。

 

 

そんなわけでなかなかこれだ!っていうセパハンが見つからなかったんですが、最近試したこれはよかったです。今のところ全く問題ありません。100点満点。

それがこちら、ドイツのABM社のセパハン。

前々から気にはなっていたんだけど、なんせ高価なのでなかなか手を出すことができませんでした。これまでの中華製セパハンは完全には満足していなかったけど、それでも10年近く使ってきたわけですからね。良くなるのかどうかも分からないのに、高いお金を出してまでわざわざこのセパハンにチャレンジする勇気も理由もなかったのです。しかしながら、最近モーターロック製のお高いバーエンドミラーを購入したので、こいつをどうしても落下させたくないという想いから、ついにこのABM製セパハンを試してみることに。

 

ところで、ABM製のセパハンにはΦ54mmの設定はありません。Φ55mmの設定はあるので、それにΦ55mm→Φ54mm変換スペーサーを噛まして使用します。理屈上は厚さ0.5mmのアルミの板をグルっとフォークに巻けばいいだけなんだけど、ハンドルバー周りは安全性に直結するのであまり不安要素は残したくありません。なのでちゃんと正規品を購入しました。やってきたのは予想通り厚み0.5mmのアルミ板を巻いただけのものだったけど、ここまで綺麗に円形に巻くのにも技術は必要かと思いますので、わたしは購入してよかったかな、と感じています。

 

こんな感じでフロントフォークとフォーククランプとの間に挟んで使用するのです。

 

細かい作業は後日ご紹介するとして、ABM製のセパハンを無事XB系ビューエルに取り付けることができました。ロビーモトエンジニアリング製のセパハンとは違い、機能的にも問題ありません。そして、これまでの中華製セパハンと比べると明らかに剛性が高いです。素人のわたしでも分かるくらい、全然、違う。

このABM製のセパハン自体にはハンドルバーの垂れ角の調整機能はないですが、ハンドルバーの高さなどの調整幅は広いので、アッパーカウルやフレームと干渉しないようにすることは問題ありませんでした。よりこだわりたい人は、ハンドルバーを曲げ加工をしたものに交換することで垂れ角の調整もできますし、長さや材質も自由自在に変更することができるでしょう。汎用のΦ22.2mmのハンドルバーを使えるというのはとても拡張性が高いのです。

 

今回は使用するハンドルバーを長めにし、内側に飛び出させることで、念願のスマホホルダーも装着可能に!

最近のセパハンのバイクの場合、スマホホルダーはステムホールを活用することが多いようですが、ビューエルの場合はステムナットにそんな大きな穴は開いていませんからね。古いバイクの場合すっきりとスマホを取り付けるのが難しいことがありますが、これは結構すっきりとスマホホルダーを取り付けることができたのではないかと自画自賛。もちろん、スピードメーターの視認性が落ちないように気を付けましょう。

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