XB系ビューエルには無くて、S1とM2にはあるものってな～んだ？答えの一つは、キャブレター！
というわけで、S1用にキャブレターを買いました。入手先はいつものヤフーオークション。見ないようにしているというのに、やっぱり見てしまうヤフーオークション。見ちゃうとついつい安いもの（正確には安く見えるもの）を買ってしまうだよねぇ。
エボ系ビューエルの構成部品の中でも、恐らくこいつは入手に困らない部品の一つ。というのも、このケイヒン製CVキャブは1990年ごろから2006年頃までビューエルだけじゃなくて兄弟エンジンを搭載するハーレーのスポーツスター、さらにはスポーツスターより排気量の大きいビッグツインにも採用されていたもの。
さすがに年式や排気量によってセッティングは少し違ったり、またキャブレターも微妙にマイナーチェンジを繰り返しているみたいだけど、基本的には同じもの（らしい）。キャブレターってエンジンの排気量によって口径を変えるイメージが強いから、本当に同じ？という気持ちをいまだに抱いています。
ビューエルから取り外したものは比較的中古価格も高いけど、ビッグツインから取り外したものはなんせ市場に出回っている量が多いので、安いものは数千円から購入することができます。もちろん、状態と金額は比例しちゃいますが。
ハーレー業界のすごいところ・・・というか恐ろしいところでもあるんだけど、どっからどうみても完全なコピー品まで出回っています。
キャブレターのような精密な部品でコピー品っていうのはめっちゃ不安な気持ちになりますが、それでも新品18,000円というのは恐ろしいまでの低価格。というか、ここまでのコピーっぷりはさすがにどうよ？って思っちゃいました。
いくら18,000円が魅力的でも、わたしは弄るのも好きなので、せっかく入手した中古品でもオーバーホールしましょう。
今回は比較的安いものを購入したので、見た目からも状態はあまりよくなさそう。アルミが腐食して白い点々が出ているくらいのコンディションです。
CVキャブって年式によっていろいろと変更点があるみたいですが、中にはフロート室のドレイン機能がないものもあるんだとか？そんなのキャブのガソリンを抜く度にフロート室開けるの！？面倒くさっ！って思ってたんですが、わたしが入手したものはちゃんとドレイン機能付きでした。他にも、加速ポンプがないタイプもあるんだとか。わたしの乗り方じゃ、加速ポンプはいらないなぁ。
キャブレターで使われているネジって、どうしていっつも腐食しやすくてしかも柔らかい素材のプラスネジなんでしょうね？古いキャブはほぼ確実にネジが固着しているので大っ嫌いです。
長年培った技術が活きたのか、今回ネジの頭を舐めてしまったのは一か所だけでした。その一か所もバイスクリップでネジ頭をつかんで、ハンマーでコンコンして無事取り外し成功。もしこれでもダメだったら、次の手段はドリルで頭を飛ばします。
分解してみてびっくりしたんだけど、なんとフロート室内部はめっちゃ綺麗でした。外側の状態の悪さから、てっきり内部はガソリンが腐っているものだと思っていたのです。分解される直前まで普通に動いていた車両か、もしくは保管前にしっかりガソリンをドレインしていたのでしょうね。
もしやこのキャブレタは当たりでは！？とウキウキしたのも束の間・・・
スライドバルブは摩耗感たっぷり。
いや、スライドバルブ自体はダイヤフラム（ビラビラのゴム）の劣化もあるだろうから交換は前提なんだけど、これだけ摩耗感があるのであれば、キャブレター本体も摩耗してんじゃね？って不安になってしまいます。キャブレターって消耗品ってよく言われるじゃないですか？
ダイヤフラム室内部が煤のようなもので真っ黒に汚れていたけど、これって普通？いや、普通じゃない気がする・・・
いろいろ不安になるような点もあったけど、だいたいバラバラにすることができました。写真を撮って作業を記録しながらでも、30～45分くらいの作業。シングルキャブって部品点数が少ないので作業も楽ちんですね。組み立て時に同調をとる必要がないっていうのも気楽です。
CVキャブの泣き所として有名なこの樹脂製のフューエルインレット。内部には真鍮製のパイプが入っているけど、その真鍮パイプと燃料ホースの接続は樹脂部分。燃料経路に樹脂って大丈夫なの？って気がしますが、やっぱりダメで経年劣化で割れてガソリンが漏れるらしいです。
高年式のキャブレターでは真鍮製に変更されたみたいだけど、こいつのような古いタイプは対策が必要です。燃料が漏れて燃えたくない！
ドラッグスペシャリティーズから真鍮製の対策品（1003-0257）が出ているので、汚いキャブレターの洗浄後はこいつの交換もやっちゃいましょう。
