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ハーレーやBUELLに使われているコネクターの1つであるAMPコネクター。
どのようなコネクターであるか、またどうやって入手するかは別の記事にてご紹介した通り。
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AMPマルチロックコネクターの入手方法
Contents1 AMPってなんやんねん!!2 AMPコネクター、・ターミナル(端子)の入手方法2.1 ハーレーのディーラーに行けば手に入ります。2.2 純正部品をネット通販で買う2.3 社外品をネ ...
ところで、実はわたしは長いことこのAMPコネクターを綺麗に使用することができず困っていました。
どういうことかは後ほど詳しく説明するとして、簡単に言うと本来あるべき姿に圧着することが出来なかったのです。
しかしながら、最近ふとしたきっかけでこの問題を解決することができたのです!
そこで、今回はそんなわたしが苦労してきたAMPコネクターについて、わたしが綺麗に圧着できるようになったきっかけを中心に、その使用方法をご紹介しましょう。
AMPコネクタ、四角く圧着出来ない問題
突然ですが、皆様はどのような電工ペンチを使ってますか?
スパナやソケット、ラチェットといった工具であれば、やれsnap-onだー、neprosだー、ってコダワリの意見を良く聞きますが、電工ペンチに関してはあんまりそういう話は聞きません。あくまでわたしの場合ですけど…
そして実際わたしも電工ペンチには全然疎くて、10年以上エーモンの安物電工ペンチを使ってます。だって、それで特に不具合なかったし。
ところがそんな安物電工ペンチが直面した最初で最大のピンチが、まさに今回取り上げてるAMPコネクターの圧着端子(ターミナル)。
どういうことかというと、
まぁこんな感じで普通のギボシを圧着する時のように電工ペンチでグイッと潰しますよね。
するとあら不思議!ターミナルが何故か反ってしまいます!ちなみに、新品のターミナルでもこの部分は多少段があるので、正常でも真っ直ぐになるわけではありません。
この何故か反ってしまう問題だけでも決していい気分ではないんですが、更に困った問題があります。
それがこれ。
導体部とターミナルを圧着している部分が横に広くて、せっかく圧着したターミナルがコネクターに入らないんです!
純正ハーネスのターミナル圧着部を確認すると正方形に近い形で圧着されていました。一方わたしが安物電工ペンチで圧着した部分は横長の楕円・・・
仕方がないので、これまでは圧着後にプライヤーで正方形っぽく整形して無理矢理使ってました。
当然端子には傷はつくし、うまく整形できなくてぐにゃぐにゃになることもあります。でも、何もしないとコネクターに入らないんだもん。仕方がありません。
AMPコネクターには専用工具が必要?
手持ちの安物エーモン電工ペンチでは綺麗に圧着できないので、ちゃんと使える電工ペンチを探してました。
正方形っぽい形状だから専用の電工ペンチがあるんだろうなぁ、と調べても全然見つからない。
ハーレーにも使われてるターミナルなんだから、こんな話いくらでもネットに転がっているはずなのに、同様の悩みは1件しか見つかりませんでした。
おかしい。これはおかしい。
こういうパターンで最も可能性が高いのは、わたしが直面している問題はわたしを含むごく一部だけの問題で、普通は問題にすらならないってこと。つまり、AMPコネクター用の電工ペンチなんていらないんじゃない?ってこと。
きっかけはとある配線パーツ屋さんのページ
AMPコネクターに使うターミナルを探していた時、代替可能品と思われるページで問題解決の決めてとなる一文を発見。
推奨圧着工具 「PAD-13」、「P-706」等
あー!AMPコネクタに対する推奨電工ペンチが記載されてる!!
早速記載されている電工ペンチについて調べた結果、
- 特にAMPターミナル専用というわけではない。
- 同じターミナルでも、工具によって使用する圧着部の寸法(形状)は異なる
ということがわかりました。つまり、推奨されている工具は完全に汎用品ということです。
さっそく推奨されていた2つの電工ペンチのうちの1つを取り寄せました。エンジニア社の「PAD-13」という製品です。エンジニア社と言えば、ネジザウルスで有名な会社ですね。
ホームセンターやカー用品店では1,000円程度で電工ペンチを購入することができますが、こいつはその8.5倍の お値段。なかなか高級な電工ペンチです。
エンジニア 精密圧着ペンチ ダイス交換式 オープンバレル端子用 PAD-13
購入したのはこちら。もし使えなくてもダイスを交換すれば他の用途にも使えるから、無駄にならないかなー、って。
エンジニア社製電工ペンチ「PAD-13」を購入
パッケージ裏面が説明書になってるんだけど、これまで購入したことのある電工ペンチに説明書なんて付属してなかったから、電工ペンチの使い方についてちゃんと読むのは初めてです。
お恥ずかしいながら、へー、そうやったんやぁ・・・の連続。素人は自己流のやり方で作業してしまいがちですが、こういう基礎を知らないのはよろしくありません。
パッケージから製品本体を取り出して最初に感じたことは意外と軽いな、ということ。安物電工ペンチと同じくらいの重さ。いや、重けりゃいいって訳じゃないんだけど、圧着部分の厚みがあった方が綺麗に端子を圧着できそうなイメージを勝手に持っていたので。
ちなみに、圧着部分も本体金属部品も全て3mm厚で、これは安物エーモン製工具と全く一緒でした。だ、大丈夫かな。少し不安を覚えます。
ただし、使用した時の剛性やガタつきの無さ、仕上げの綺麗さはなかなかのもの。そんじゃそこらの安物電工ペンチの8.5倍の値段がするので、当たり前っちゃ当たり前?
パッケージには施工例としてAMPコネクターのターミナルっぽいやつも載ってました。これはなんだか先程の不安が薄らいで、一気に期待が膨らみます。
AMPコネクタのを圧着してみた
早速この電工ペンチを使って、AMPコネクターのターミナルを圧着してみました。
説明文通り、被覆部は3.4で圧着。のつもりが、写真で見返してみると、どうみても3.1でやっちゃってますね。間違えてるじゃん!!
これ、使った瞬間に安物電工ペンチとの違いがはっきり分かります。なんていうか、安物がグニャーって無理矢理潰しているような感覚に対し、この電工ペンチはカキンッとなるべき姿に一瞬で整形される感じ。8.5倍の価値があるかはともかく、かなり感動。むっちゃ気持ち良い!!
導体部は2.8で圧着。こっちは間違えてません。
仕上がりはご覧の通りとても綺麗。被覆部の方はなんだか端子が食い込みすぎている気がするけど、それはわたしがサイズを間違えたからでしょう。
仕上がりは綺麗なんですが、わたしが思い描いていた四角形状にはなりませんでした。
そして、圧着部分がやや曲がってしまうのは安物電工ペンチと一緒。
こ、これ、コネクターにちゃんと入るの?
恐る恐る試してみると・・・・
入った!
つまり、安物電工ペンチ使用時にコネクターにターミナルに入らなかったのは、四角圧着されていないからでも、ターミナルが曲がったからでもありませんでした。ターミナルの圧着部分が正しい形ではなく、横長の形になっているのが問題だったのです。
AMPコネクターの分解方法
分解方法(ターミナルの抜き方)も、知らないとなかなかできるものではありません。
用意するのは小さなマイナスの精密ドライバー。これだけ。
最初にコネクター後ろ側の配線抑えパカッと開くやつを開け、その後コネクターの前の台形の穴にマイナスドライバーを突っ込みます。
突っ込んだマイナスドライバーを下から上に動かし、ターミナルを固定している部分を持ち上げつつ、ターミナルを後ろ側に引っこ抜けば抜けます。
という説明文だけでは難しいですが、断面図を見ると何となくお分かり頂けるでしょう。
まとめ
ポイント
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- AMPコネクターのターミナルの圧着は専用の電工ペンチは不要
- しかしどんな電工ペンチでもできるわけではない
- 取り外しにはマイナスの精密ドライバーがないと無理
今回購入したエンジニア製の電工ペンチで、無事AMPコネクターの端子を圧着することができました。
これまで使ってたエーモン製電工ペンチとエンジニア製電工ペンチで何が違うのか比較すると、圧着部分のサイズ設定が後者の方が細かいということに気付きます。
どういうことかと言うと、エーモン製のとある圧着部分の適応サイズが3.0-5.0とゆるーく幅を持っているのに対し、今回購入したものは3.1とか限られた寸法にのみ適応しています。
もちろん、3.1に近い数値でも作業できるのでしょうが、前後サイズは2.8と3.4と0.3刻みになっています。つまり、3.1というのは実質3.1±0.15となります。エーモンの4.0±1.0と比較すると、精度の桁が違うということがわかります。
こういった精度の違いが、きちんと圧着できるか、できないかの違いになったのではと予想しています。
これで、これからは安心してAMPコネクターを使用することができますね。