強化ドライブベルトへの交換①部品と工具の収集

ベルトドライブを採用するバイクで心配なトラブルと言えば、ずばりドライブベルト切れ。

ハーレーの旧車では常に予備のベルトを携帯しているツワモノもごろごろいるらしいけど、ただでさえ積載スペースの乏しいXB9Rではそんなの全く現実的じゃありません。なのでベルト切れは発生したら即レッカーというとても困ったトラブルなんです。

実際、BUELLでもこのドライブベルト切れのトラブル報告は結構耳にしますが、BUELLの中でもわたしの所有する初期型XBは特にベルトが切れやすいことで有名です。

そんな致命的な弱点を放置する訳にもいかないので、ベルトが切れないようにさっさと対策を行いましょう。

 

ドライブベルトは切れやすいらしい

私のXB9RはXB系BUELLでは最初期モデルとなるの2003年式。この年式にはいろいろ弱点があるんだけど、その一つがドライブベルトの耐久性。

切れやすい!いやいや意外と全然切れないもんだよ!とネット上でも様々な意見を見つけることができますが、そもそもこの年式のベルトはサービスマニュアルでも消耗品扱いされており、定期的な交換が必要なようです

そんな2003年モデルのドライブベルトはやっぱり不評だったのか、翌年の2004年モデルからはすぐさまより分厚いベルトへと変更されています。

そしてベルトの改良はその後も行われ、最終的には定期的な交換を必要としない「永久ベルト」とか「最終ベルト」と巷で呼ばれるGoodyear製のベルトにまで進化しました。

そんな素敵なドライブベルトがあるのであれば、是非わたしの2003年式のXB9Rに移植してやりたい!

移植が成功すれば突然のベルト切れに不安を抱く必要は無くなりますし、そもそも数万円もする部品が消耗品だなんてお財布には優しく無さすぎですよね。

 

ドライブベルトコンバートに必要な部品

高年式に採用されていたGoodyear製ベルトを移植する為に、まずは必要な部品を収集。周辺の部品の寸法が異なる為、ドライブベルトだけを交換することはできないのです。

こちらが実際に収集した部品たち。

  • ドライブベルト
  • 前後プーリー
  • アイドラープーリーのブラケット
  • フロントプーリーカバー
  • ベルトカバー上下
  • (リアブレーキマスター)

の7点(8点)となります。

私のXB9Rは社外のステップキットに交換されている為不要でしたが、純正のステッププレートを使用している場合はリアブレーキマスターの交換も必要になるようです

 

ドライブベルト

これが交換したいXBモデル最終仕様のGoodyear製ベルト。通称「永久ベルト」。

その名の通り定期的な交換は必要とはしないものの、流石に石を噛む等でダメージを受けると切れることはあるようです。

 

2003年式標準のベルトと、Goodyear製ベルトの比較。

もちろん上の薄いものが2003年式のもので、下の分厚いものがGoodyear製ベルト。

ベルト幅は同じようです。分厚くなったせいか結構硬く、とてもじゃないですが予備を持ち運べるような感じではありません。ベルトの厚み以外に、ベルトの山も大きくなっていることがわかります。

 

前後プーリー

ベルトの山が大きくなっている為、前後プーリーもGoodyear製ベルトに対応したものに交換する必要があります。

そのプーリーですが、2004年以降の純正部品であれば流用が可能です。

2003年モデルのプーリーとそれ以降のモデルプーリーでは山の大きさが異なるのでパッと見ただけでも分かるのですが、歯数も異なるので歯数を数えたら更に確実に見分けることができます。

モデル フロントプーリー リアプーリー 減速比
2003年式 30T 72T 2.400
2004年式以降 27T 65T 2.407

プーリーの歯数は違いますが、減速比(リアの歯数/フロントの刃数)はほぼ同じなのでスピードメーターに狂いはほぼ生じません。実際、わたしは変更後の仕様で何ら問題なくユーザー車検をパスしています。

 

2種類のプーリーを重ねて見ると、外径も異なることがわかります。

現在装着されているものが2003年モデル標準のプーリー。そして、手で持っているものが2004年以降のモデルのプーリーで、後者の方が一回り大きいですね。

 

アイドラープーリーのブラケット

イマイチどうして必要なのかどうかがわかり辛いのがこのアイドラープーリーのブラケット(ステー)。

プーリー部は恐らく2003年モデルとそれ以降のモデルで違いはなさそうなのですが、このブラケット部分の形状が僅かに異なります。

 

先ほどのプーリー同様二つのブラケットを重ねて見ると、取り付け角度が微妙に変更されていることがわかります。

手で持っているステーが2004年以降のモデルのものですが、2003年モデルのものよりもアイドラープーリーが下方向に取り付けられるようになります。ドリブンのプーリーの巨大化により、2003年モデルとはベルトの位置関係が変わったんでしょうね。

なおこのアイドラープーリーのブラケット。04年以降の純正品を利用する他、社外のベルトスパナでも代用することができます。社外の部品では、特に年式の指定はないみたいです。

 

ベルトガード

ドリブンプーリーの巨大化の為、ベルトの位置関係が2003年式と2004年式以降では微妙に異なることが前述の通り。

そうなるとアイドラープーリーだけではなく、各部のベルトガードも交換が必要になります。2003年式にはなんともお金の掛かっていそうなフルカバードのベルトガードが奢られていますが、永久ベルトへの交換後は使用することが出来ません。

2004年式以降のフロントプーリーカバー、アッパーベルトガード、ロアベルトガードの3つのベルトガードに交換しましょう。

 

マスターシリンダー

私の場合は社外のステップキットに交換されているので今回は不要ですが、純正のステップ周りだとリアマスターシリンダーの交換も必要であると聞きます。

純正ステップ周りが無いので実際に確認したわけじゃないけど、恐らくこれもアイドラープーリーやベルトガード同様、ドライブベルトの位置関係が変わってしまうことで、ベルトを避ける為にマスターシリンダーの”逃がし”が必要になるんでしょうね。

写真右側の2003年モデルのリアマスターシリンダーと、写真左側の2004年以降のモデルのリアマスターシリンダーとでは、取り付け部からバンジョーボルトまでの長さが延長されているのが分かります。

 

ドライブベルトコンバートに必要な工具類

ベルトコンバートに必要な部品は揃ったものの、交換作業をする為には手持ちの工具だけでは対応できない箇所が数箇所ある為、今回新たに必要な工具を用意しました。

ちなみに、行きつけのバイク屋さんにスポーツスターのドライブベルト一式の交換を依頼した場合の費用を聞いたところ、1~2万円位の工賃になるとの回答でした。手持ちの工具の種類にもよりますが、ほとんどの人はお店に依頼した方が金額的には安く済むと思います。

しかしながらそれは1回限りの場合。2回以上するなら工具を購入して自分で作業をした方が安くなるでしょう。また、自分でやった場合には経験値を積むことができますし、工具も残りますので私はそちらの方が断然お得かと思います。もちろん、失敗する可能性もありますが・・・

 

さて、ベルトコンバートで最大の難関と言われてるのが、このでかいナット(しかも逆ネジ)の取り外し。サイズは1-7/8

そんなサイズのソケット普通持ってないミッション部なので空回りする、おまけに強固に固着している・・・の3要素が最大の難関とされる理由で、多くのBUELL・スポーツスターオーナーがこのナットの前に撃沈しているのだとか!?

マニュアルによるとこのナットに関する作業方法は、

取り外し

メインシャフトロックナットレンチ(SSTその1)という専用のソケットレンチを装着したインパクトレンチで緩める

取り付け

プーリーをスプロケットホールディングツール(SSTその2)という特殊工具で固定しつつ、メインシャフトロックナットレンチを装着したトルクレンチで締め付ける(逆ネジ)

とのこと。つまり、この作業だけでもインパクトレンチ逆ネジ対応のトルクレンチSST2種類という4大アイテムが必要となるわけです。

 

インパクトレンチ

4大アイテムの1つ目はインパクトレンチ

空回りするナットを外すにはインパクトレンチが必要になるのですが、私の作業環境ではエアー工具を使えないのでコードレスの電動タイプのインパクトレンチを購入しました。

ドライブプーリーを固定するナットの締め付けトルク自体は67.8Nmだそうなので、パッケージの「MAXトルク320Nm」が本当なら、多少どころかそこそこ固着していてもこれで無事取り外せると思うのですが・・・

※ 後でそれは勘違い甚だしいことが判明します。

 

逆ネジ対応のトルクレンチ

4大アイテムの2つ目は逆ネジ用のトルクレンチ。いろいろ検討をしましたが、結論から言うとはSIGNETの製品一択でした。

逆ネジに使えて、更に50Nm以上のトルクに対応しているのってかなりニッチな工具のようで、やっとこさ見つけても大変高価!素人には到底手がでないものでした。

巷では苦肉の策として、普通のトルクレンチのヘッド部分を分解してソケット装着部を表裏逆に取り付けるという裏技もあるみたいですが、それでも高価なトルクレンチを一本犠牲にしないといけません。

 

どうしたものか・・・と悩んでいると、いいものを発見!

 

それがこのSIGNETのトルクレンチ。

このトルクレンチはなんと正ネジ・逆ネジのどちらにも使えるという驚きの一本!

写真の状態は正ネジで使用する時の状態で、この状態では切り替えレバー側から見て時計回りに回す時にのみトルクレンチとして使用できます。

 

一方、こちらは逆ネジモードの状態。

ソケット差込部がレンチの両側に出し入れできる構造になっているのです。

つまり、レンチの回転方向は正ネジと同じく、切り替えレバー側から見て時計回りになるのです。前述の、トルクレンチを分解して~、の原理をよりワンタッチにしたような製品ですね。BUELL XBモデルはフロントホイールのアクスルも逆ネジなので、今後役立ってくれそうな一本です。

 

メインシャフトロックナットレンチ

4大アイテムの3つ目はメインシャフトロックナットレンチ・・・なんだけど、調べたらこいつは大変高価なSSTだったので普通のソケットで代用することに。

メインシャフトロックナットレンチはどうやらドライブシャフトを傷つけないようにソケット内に工夫がしてある、ディープソケットのようなものみたい。しかしながら、BUELL・スポーツスターオーナーの記事を見てても誰一人としてそんなSSTは使っていなかったので、多分普通のソケットで大丈夫でしょ。

 

1-7/8ものサイズになると流石にでかい・・・

取り外し時はインパクトで、取り付け時はトルクレンチでそれぞれ使用するので、 この馬鹿デカいソケットがインパクト用とハンドツール用の2種類必要となります
※インパクトとハンドツールとでは力の加わり方が違うので、混ぜて使ってはいけません。

いろいろ探しましたが、このサイズになるとあまりメーカーの選択肢はないようで、インパクト用はコーケン製を、ハンドツール用はストレート製をそれぞれ購入しました。

ストレートのハンドツール用のソケットはこんなニッチなサイズにも関わらず、普通に店頭でも扱っている上に数百円と普通のお安い値段でした。ストレート、すげぇ。

差込部はバイクの作業では珍しい3/4サイズなので、1/2サイズの工具で使用するにはアダプターも別途必要になります。

 

スプロケットホールディングツール

4大アイテム最後の1つはスプロケットホールディングツール

これはプーリーが空回りしないように固定するSSTなんだけど、ハーレー系のSSTなのでやっぱり高価な上、出回っているにはスポーツスター用のものばかり。XL系BUELLならともかく、そもそもXB系BUELLで使えるのかさっぱり情報がないので、こちらも代用品を探しました。

そして検討の結果、ストレートで見つけた汎用のベルトタイププーリーホルダーに白羽の矢が立ちましたストレート、すげぇ。

実際にBUELLのプーリーを持ちこんで、お店にあったもので一番がっちり固定でき、かつ柄の長いものをチョイス。輸入工具屋さんて、本当いろいろあるから助かりますね(しかも、安い!!)。

 

固定ベルトのサイズはプーリーに対してジャストサイズではありませんが、そこそこ食いこんでくれて良い感じ。これでなんとか代用できればいいんだけどなぁ。

装着されているベルトは簡単に交換できそうなので、もし切れたXBの純正ドライブベルトがあれば、このプーリーホルダーにセットして、XBにジャストサイズのプーリーホルダーも作れそうです。

 

その他もろもろの工具

作業に決して必要というわけではないのですが、トルクスのインパクト用ソケット、ハンドツール用のソケットも準備しました。

ドリブンプーリーをリアホイールに取り付けボルトもなかなか硬そうな気配がしたので、念には念を入れての準備です。今回せっかくインパクトレンチを購入したので、使えるところはどんどん使っていきたいと思います。

 

続きとなるベルトの交換作業はこちらの投稿にまとめています。

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強化ドライブベルトへの交換②ベルトの交換作業

Contents1 最大の難関、フロントプーリーの取り外し2 各パーツの取り外し3 思わぬ難関!アイドラープーリーのスタッドボルト4 パーツと工具の再調達4.1 スタッドボルトとインストーラーツール4 ...

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