XB9Rのカスタム作業

XB系ビューエルの純正アクスルスライダーとワンオフアクスルスライダー

 

皆様のバイク、スライダーって付けています?

スライダーとは転倒時に車体を保護してくれる部品のことで、エンジンに取り付けるエンジンスライダーと前後アクスルシャフトに取り付けるアクスルスライダーが圧倒的に主流。車体を保護する部品といえばエンジンガードが有名だけど、エンジンガードよりもずっと小ぶりですっきりしているのがスライダーのいいところなんじゃないですかね。

わたしのビューエルXB9Rにも、入手したときから前後アクスルスライダーが装着されていました。ところがこれがもー、御覧のとおりなんともみすぼらしい感じ。元々は黒色だったんでしょうけど、色あせて白っぽいなんとも言えない色調になってしまっています。しかもこのアクスルスライダー、中身はただの寸切りボルトでめっちゃ作りがショボいんです。

そんなわけで早く交換したいなーと思いつつあっという間に10年以上経ってしまったわけなんですが、最近ようやくちゃんとしたアクスルスライダーを入手することができました。

それがこちら。元々は今となってはかなり貴重なビューエル純正オプションらしいのですが、リア側はそれをベースにワンオフで製作したメンテナンススタンド用フックに改造されている一品。今となっては超絶狭い世界であるビューエル界隈ですから、もしかすると製作者の目に留まるかもしれませんが、そんなワンオフ部品を購入しちゃいました。

 

これを購入した理由の一つが”ビューエル純正部品”という点。純正っていうくらいだからどんな作りをしているのがとても興味があったんですが、実際に手に取ってみるとジュラコン部分はなんの捻りもない本当にただのジュラコンでした。凝った部品だとこの部分が僅かにアクスルシャフトに入り込むようにインロー構造になっているんだけど、そんな手間の掛かった構造には一切なっていません。これ、激しく転倒したらすぐにボルトが折れて飛んで行ってしまわない?

 

ジュラコン部分は正直少しがっかりだったけど、シャフト部分はアルミ製のしっかりとした作りだったのでこっちは満足。この部分は緩んだら大変なので、ネジロック剤をしっかり塗布して組み立て。

 

アルミとはいえバネ下重量は少し増えそうだけど、わたしにとってビューエルはそんなことに目くじら立てるような車種じゃありませんからね。

 

ワンオフで製作されたリア側を取り付けるとこんな感じになります。

このステンレスで製作された部品はスライダーというよりかはメンテナンススタンド用のフックですね。メンテナンススタンドを引っ掛けるための部品(フック)を簡単に取り付けることができる車種ならこんな手の込んだことをする必要はないんですが、XB系ビューエルにはそんな都合のよいネジ穴などはありません。フックを取り付けるためのネジ穴付きカラーをスイングアームに溶接するのが一番確実なんだけど、そんな面倒なことをしなくともアクスルスライダーに取り付けることで簡単にフックを設けることができるっていうのがこの部品の発想でしょう。事実、3分程度でフックを取り付けることができました。

 

これまでわたしのビューエルにはメンテナンススタンド用のフックは無かったので、このようなL字型の受けを使っていました。特段不便はなかったんだけど、このタイプの受けって安定感は少し欠けるんですよね。メンテナンススタンドを掛けていても、左右に車体を揺らすとグラグラ揺れて決して安定感はありません。

 

今回せっかくメンテナンススタンド用フックを設けることができたので、メンテナンススタンドの受けもV型に交換することに。わたしはJ-TRIPさんのメンテナンススタンドを使っていますが、こういう時に簡単に補修部品や交換部品を入手できるのは国内メーカーならではのメリット。

 

早速メンテナンススタンドの受けをL字からV型に交換して、アクスルスライダーの先端に取り付けたフックと組み合わせて使用してみました。V型の受けを使用するのは初めてですが、リフトアップの段階から車体の安定感が全然違います。L字型とは比べ物にならないくらい、がっちりと車体を固定することができているじゃないですか!!リフトアップ後に車体を左右に揺らしても全然揺れない!

 

ところが当然デメリットもあって、アクスルシャフトを利用して車体を持ち上げているので、当然このようにアクスルシャフトを抜くことができません。チェーンドライブの車種ならともかく、ベルトドライブのビューエルでリアを持ち上げたい時って大抵アクスルシャフトを抜く時だから、メンテナンスという点ではお話にならないくらい大きなデメリットですね。今回購入したアクスルシャフトを利用したメンテナンスフック、バイクの保管時や車体を垂直に保ちたいときには全然有効だけど、メンテナンス目的ではほぼ使用できないということです。

 

とはいうものの、この安定感はなかなか感動もの。ワンオフということですが、寸法についてはかなりこだわっているんじゃないでしょうか?

J-TRIPに限らずメンテナンススタンドは様々な車種に対応できるよう、受け金具を左右方向にスライドできるようになっています。ところが、このワンオフフックはJ-TRIPのメンテナンススタンドの受けを目いっぱい外側に出したときにジャストフィットするようにできていました。この状態だと受け金具は左右に一切動かすことができないので、かなりがっちりと固定できるってわけ。

メンテンナンスのことを考えるとこれまで使っていたL字受けと併用することになるけど、日頃の車体の保管にはなかなかいいんじゃないでしょうか。

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