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ポリッシュ加工とは?
バイクのカスタムで欠かせないのがポリッシュ加工。
ポリッシュとは英語では"磨く・艶を出す"という意味の動詞。その言葉通り、ポリッシュ加工とは部品の表面を滑らかに研磨することで艶を出す加工のことです。
車ではヘッドライトの曇り除去やボディの艶出し、アルミホイールの仕上げなど幅広く使われていますが、バイクにおいては金属パーツを鏡面加工にすることを示す場合がほとんど。
金属の表面仕上げにはたくさんの種類がありますが、ギラギラと光り輝くクロームメッキや、母材と大きく異なる色にすることが可能なアルマイトとは異なり、素材本来の質感を活かしたシックな輝きがポリッシュ加工の特徴と言えるでしょう。わたしはポリッシュ加工でアルミを超鏡面にした時の輝きがとっても大好き。
しかしながら他の表面仕上げとは異なり、ポリッシュ加工は素材の金属そのものが剥き出しになることがデメリットと言えます。
というのも、酸化しにくいステンレスなら問題はないけど、アルミの場合は時間の経過と共に剥き出しの表面部分が酸化してしまい、その輝きが徐々に失われていくからです。
輝きが失われないようにする為には定期的なお手入れが必要となるので、その輝きを維持するのはなかなか大変。アルミポリッシュの輝きはまさに車両に対するオーナーの愛情の証と言えるでしょう。
ポリッシュってつまりは削るだけ
そんな金属部品のポリッシュ加工ですが、原理は金属の表面が滑らかになるように削るだけ。本当に、それだけ。
ほとんどの素材は一見平坦で滑らかに見えても、実際のところは表面が細かく凸凹しています。表面が凸凹していると光が乱反射してしまうので、白っぽく見えたり艶が出なかったりします。ならば、その凸凹を綺麗に均してやれば光の乱反射が減り、結果光沢が出ているように見えるってわけ。
凸凹が滑らかになるのであればどのような方法で研磨しても良く、最もお手軽なのは耐水ペーパーを使った水研ぎじゃないでしょうか。
目詰まり防止の為に水を付与しながら、ひたすらシコシコシコシコ…と紙やすりで研磨し、仕上げにピカールで更に研磨するだけ。もちろん、全行程手作業。
そんな原始的な方法ですが、意外と効果は抜群。
例えばこんないかにも安っぽい質感のフロート別体型SUキャブが、
シコシコし続けるだけでこんなにもピカピカに!紙やすりとピカールは偉大ですね。
必要となる道具はホームセンターで耐水ペーパーが1枚数十円で、ピカールが数百円で購入出来るので、費用は格安。
この費用の安さから、手軽に挑戦出来るというのがこの方法の大きなメリット。時間は掛かるけどね。
しかしながら今回ご紹介するのはそんなお手軽な水研ぎではなく、より本格的な方法であるバフ掛け。
バフ掛けはバイクの部品に限らず多くの工業製品で行われている加工方法なんですが、見た目に反してなかなか難しい加工なんですよね。専門の職人さんがおられるくらいですから当然のことでしょう。
難しい反面、上手くなれば作業効率は耐水ペーパーよりずっと良いし、何よりもその輝きは本当に素晴らしくて病みつきになります。
必要となる道具は我々プライベーターでも簡単に入手できるものばかりですから、水研ぎよりかは費用が掛かるものの、比較的気軽に挑戦することができますよ。
バフ掛けってなに?
バフ掛けっていうのはバフと呼ばれる道具を使った研磨のこと。
バフ(Buff)というのは元々水牛の揉み皮を指し示す言葉らしく、なんでも昔はそれを用いて金属研磨を行っていたんだとか。
そんなわけで、現代においては研磨に用いる柔らかい円盤状の道具をまとめてバフって呼んでいるみたい。
軽く調べてみたけど、バフってかっちりとした規格がないんですよね。紙やすりのように番手のようなものがあればわたしのような素人にも分かりやすいんですが、残念ながらそのようなものはありません。
バフの材質と組み合わせる研磨剤の種類で研磨力が変わるので、その組み合わせ方や研磨時の力の加え方がノウハウになるんでしょうね。
各バフメーカーでのおススメの組み合わせなんかはパッケージに記載されていますから、慣れないうちはこれらの記載に従ってバフや研磨剤を選ぶと無難でしょう。
さて、バフにはいろんな形のものがありますが、電動工具に取り付けて使用するという点はみな同じ。我々プライベーターはディスクグラインダーと電動ドリルを使うことになるでしょう。
耐水ペーパーを使ってシコシコ手作業で研磨するのと比較すると、圧倒的に作業効率良いのが電動工具の良いところ。
しかしながら、加工時の熱で研磨剤が焼けてしまうバフ焼けや、母材を削り過ぎてしまうといったトラブルも起こりやすいので、難易度は手作業よりも高めと言えます。
わたしが使用している道具
バフにはたくさんの種類がありますが、わたしがバイクの金属部品をポリッシュ加工するのに使用しているバフはサイザルバフとフェルトバフの2つだけ。
あとはそれらのバフと組み合わせる電動工具と各種研磨剤、そして下地用の不織布ディスクで鏡面加工に挑戦しています。
サイザルバフ
サイザルとはキジカクシ科リュウゼツラン属の植物のこと。この植物はとにかく強靭な繊維がとれるので、その繊維を使って作ったバフがサイザルバフってわけ。
植物の繊維のことを麻って呼ぶから、麻バフって呼ばれることも。正確には麻バフの一種ですね。
そんなサイザルバフの中でも、バイクや車の部品の研磨でど定番なのがこちらのオフセットザイザル。光陽社の製品です。
詳しいことはよく理解できないけど、渦巻状のにサイザルバフが複数配置されていることで冷却効果が高いようです。それによりバフ焼けが起こりにくく…って、まぁつまるところ作業効率が良くて綺麗に仕上がりやすいバフってこと。
わたしがこのオフセットサイザルと初めて出会ったのはもう10年ほど前のこと。
当時も評判が良かったけど、今でも変わらず評判はいいみたい。このオフセットサイザルは赤棒と組み合わせるとバフとは思えないくらいゴリゴリと加工物の表面を削り、ペッカペカに光らせてくれます。超便利。
しかしながら、オフセットサイザルは確かに便利なんだけど、その形状から細かい場所の研磨は苦手。
なので細かい場所も研磨出来るよう、他の形のサイザルバフも用意しましょう。どのような形のものを用意するかは磨く対象物の形次第。
シャフトにサイザルバフが刺さっているタイプは電動ドリルに取り付けて使用します。
フェルトバフ
サイザルは大変便利で、使用する研磨剤を使い分けることで下地処理からほぼ鏡面まで研磨してくれます。
しかしながら周囲がしっかりと写り込むような鏡面仕上げまでは出来ません。
そこで必要となるのがフェルトバフ。
フェルトは羊毛などを押し固めた素材。衣類なんかでも一般的な素材ですから皆さんもご存知でしょう。
サイザルと違ってとても柔らかい物性をしています。いかにも金属表面を痛めなさそうな感じ。
こちらはオフセットサイザルのフェルトバフ版、その名もオフセットフェルト。うん、非常に分かりやすいネーミング。
フェルトバフでの研磨はそれほどバフ焼けが起こらないような気がしますが、冷却効果が高いに越したことはないですから、オフセットサイザルと共に愛用しています。
細かい部分用にいろいろな形のものが必要となるのはサイザルバフと同じ。
【光陽社 KOYO】 オフセットフェルトセット [ケンマザイセット]
各種研磨剤
バフはそれ自体に研磨力があるわけじゃないから、研磨するのに必要となるのが各種研磨剤。
しかしながら、わたしはバフ以上にこれら研磨剤がさっぱり分かりません。バフ同様、分かりやすい規格や指標が無いんですよね。
多分、研磨力って研磨剤の粒子径や粒子の硬さなどで複合的に決まるからそんな単純なものではないのでしょう。
ピカールなんて粒子が徐々に細かく砕けていくけら、研磨し続けるほど番手が上がるなんて性質があるくらいですし。
とにかく、研磨剤は使ってみないことには
よく分からないので、実際に使ってみて効果を確認するのが一番。
一般的には、
- 荒削り → 赤棒
- 中仕上げ → 白棒
- 仕上げ → 青棒
と言われています。我が家には白棒と青棒の間のグレー棒もあるけど、実際に試してみたら特に必要性は感じませんでした。
ディスクグラインダー
オフセットサイザルやオフセットフェルトを取り付ける為の電動工具。
バフ掛けだけじゃなく、金属の切断など他の用途でも大活躍。DIYでは必要不可欠など定番な工具ですね。
ディスクグラインダーはホームセンターに行けば2,000円くらいから入手出来る工具ですが、気を付けなければならないのが回転数。
バフ掛けでよくあるトラブルがバフ焼け。これは研磨剤が加工時の熱で焼き付く現象なのですが、加工時の熱はディスクの回転数が高いほど上がりやすくなります。
ところが、ディスクグラインダーは元々バフ掛け用の道具ではないので、その回転数はバフ掛けには高すぎる場合がほとんど。
なのでおススメしたいのはこのような変速機能つきのタイプ。
2,000円程度の激安品と比べるとかなり値は張りますが、回転数の調整が出来るのはやっぱり便利。回転数が低いと加工音も小さくなるので、ご近所さんへの騒音対策にもなります。
ボッシュ ディスクグラインダ GWS7-100E 電子無段変速型
わたしが長年愛用しているのはボッシュのGWS7-100E。高かったのでそれはそれは大切に使っています。
ちなみに、以前ケチって変速機能付きの安物(3,000円くらい)を購入したら一瞬でぶっ壊れました。いきなり高速回転しだしたりして危ないのなんのって。まさに安物買いの銭失い…
電動ドリル
細かい場所を研磨する為のバフを使用する時に組み合わせる電動工具。
バフ掛けにおいてはディスクグラインダー程重要じゃないのでお好きなものをどうぞ。
しかしながら、電動ドリルもディスクグラインダー同様に他の作業での使用頻度が高い工具なので、しっかりしたものを用意した方が良いと思います。
不織布ディスク
不織布っていうのは繊維を織らずに積層した素材。フェルトなんかも不織布の一種だけど、ここで言いたいのはもっと硬いタイプのディスク。
このタイプは本当にいろんな種類があるけど、その使用用途はバフ掛け前の下地作り。なので目の細かい紙やすりでも代用可能です。
わたしが使用しているのはFCディスクという商品の細目タイプ。
ゴリゴリ削ってくれる割には後工程で研磨痕を消すのが楽チンなので、かなり便利。
しかしながら、同じFCディスクでも粗目タイプは本当に粗いので、研磨痕がむっちゃ残ります。パーツを整形したいとか、そういう積極的に研磨する用途じゃなければ使うのは辞めておきましょう。
バフ掛けに必要な費用は?
これまでわたしが使用している道具をご紹介させて頂きましたが、それらを揃えるのに必要な金額は恐らく2~3万円程度。
物品 | 金額 |
ディスクグラインダー | 15,000円 |
電動ドリル | 5,000円 |
オフセットサイザル(研磨剤セット) | 3,000円 |
オフセットフェルト(研磨剤セット) | 3,000円 |
不織布ディスク(数枚) | 1,000円 |
合計 | 27,000円 |
やっぱりディスクグラインダーが飛び抜けて高価ですね。
ディスクグラインダーや電動ドリルを既にお持ちの方ならば、バフや研磨剤を揃えるだけなので費用はかなり安価で済むということでもあります。
こうやって金額だけを見ると決して安価ではありませんが、プロに加工に出すことを考えれば安価ではないでしょうか。
これらの道具を使ってバンバン練習すれば、あっという間に元は取れるでしょう。
これらの道具を使ったバフ掛け作業の方法はこちらの投稿をどうぞ。
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アルミパーツがピッカピカ!バフ掛けによるポリッシュ加工の方法
Contents1 加工するのはXBのシートレール2 塗装の剥離3 バフ掛け前の研磨4 サイザルバフと赤棒での研磨5 サイザルバフと白棒での研磨6 フェルトバフと青棒での研磨7 まとめ カスタムバイク ...