引き続きお悩み中のリアブレーキマスターシリンダー
ビューエルさんのリアブレーキマスターシリンダーの取り付けピッチは40mm。
この40mmっていうのは外車でよくある取り付けピッチのようですが、国産車で主流の49mmとは微妙に違う寸法の為に代替パーツの選択肢がむっちゃ少ないのが悩みの種。もう、みんな49mmにしましょうよ。なんで40mmなんかにするのよ?
ビューエル純正のリアブレーキマスターはニッシン製で、インナーパーツの調達自体はとっても簡単。なので絶版車ではあるものの、マメにメンテナンスを行えばそれなりに長い期間使用できるとは思うのですが、それでもリアブレーキマスターのボディ自体の痛みが徐々に進行していくのはどうしても避けられません。
その為、ボディ自体も交換できる代替パーツを見つけたいのがわたしの目的なんですが、取り付けピッチ40mmのニッシン製リアブレーキマスターはなかなか見つかりません。それならばとリアブレーキマスター一式をブレンボ化(取り付けピッチ40mm)してしまおうと思い立ったのが前回までのお話。
ブレンボ製のストリート用リアブレーキマスターにはプッシュロッドが付属しない&単品でも入手出来ないという全く意味の分からない仕様で頭の痛い限りですが、まずはなんとかプッシュロッドを調達してやりましょう。
プッシュロッドはKTM純正部品でゲット
というわけで、わたしが使いたいブレンボ製のタンク一体型リアブレーキマスターシリンダー(パーツNo:10.8505.11)にはプッシュロッドが付属しません。
同じストリート用のリアブレーキマスターシリンダーでも、タンク別体式のタイプはBMWやドゥカティで純正採用されていますから、それらの純正部品流用でプッシュロッドの調達は比較的簡単。しかしながら、同じストリート用のピストン径13mmでも、タンク一体式のタイプはタンク別体式のタイプとプッシュロッドの形が違うのでそれらを流用することは出来ません。
そもそも、リアブレーキマスターシリンダー本体はちゃんとブレンボの製品を購入しているというのに、対応するプッシュロッドが販売されていないばかりか、そのような情報が一切記載されていないってどういうこと!?
ブレンボさん、商売する気あります?
そんな困ったプッシュロッド問題ですが、調査を重ねた結果、このマスターシリンダーがKTMのモトクロッサー(150 EXCなど)に純正採用されていることが分かりまして、KTMのパーツリストを元に無事プッシュロッドをお取り寄せ出来ました。これまで全くKTMには興味がありませんでしたが、まさかこんな形でお世話になろうとは…。
KTMの純正部品は国内メーカーやハーレーの純正部品よりもずっと入手性が悪いですが、それでもKTM取り扱いディーラー経由で1~2週間で取り寄せることが出来ます。ネットでパーツ検索も出来ますし、注文も可能です。いや~、ほんと便利な時代ですね~。
送り状には”シール”って記載されていて一瞬ドキッとしたけど、届いたのはちゃんとプッシュロッドでした。
こちらが入手に手間の掛かったプッシュロッドさん。ブレンボさんが売ってくれない、プッシュロッドさんです。
KTMのパーツNoは54813056000。パーツ名はPUSH ROD L=28MM 03でした。
送料込みで3,000円弱もします。すっごく、高い…。
材質はアルミで、すっげー軽いです。これが3,000円…。ロッドを取り付ける為のネジ穴はM6です。
プッシュロッドはマスターシリンダーに差し込むだけ。ラバーブーツの引っ掛かりだけで抜けないようになっていますが、その固定力はやや弱め…いや、かなり弱め。気を抜くとすぐに抜けます。まぁ、ブレーキペダルを組み付ければ抜けることなんてそうそうないから、特に問題のないことなのかもしれませんが。
ロッドを製作しましょう
無事プッシュロッドを入手することが出来ましたので、早速ブレーキペダルとプッシュロッドを繋ぐロッド部分を製作しましょう。
ビューエルの純正部品がそのまま使えたらいいんだけど、ビューエルの場合はプッシュロッドとロッドが一体になっているし、ネジのサイズもM8なので全く互換性がありません。残念。
用意しましたのは、ホームセンターで買ってきたステンレス製のM6のボルト。
これの頭をディスクグラインダーで切り飛ばしまして、
切断箇所を綺麗に整形しまして、
切断で傷んだネジ部分をダイスで綺麗にしたら、
あっと言う間にロッドの完成!
もちろん、M6の寸切りボルトを買ってきても良いのですが、どちらにせよちょうどよい長さに切断しなきゃいけません。ボルトの方が端材が発生しなくてより経済的?
先端部分には豪華にピローボールを装着致しました。
ピローボールってモノタロウで売っているような一般用のものであればお安く済むのですが、ブレーキという重要な部分なだけになんとなく割高なバイク用のものを買ってしまいました。今回はキタコの製品を使用。バイク用なのだからきっと耐腐食性などが良いはず…と信じたいところ。
プッシュロッド完成
というわけで、KTMの純正部品を流用して無事にブレンボのタンク一体型リアブレーキマスターシリンダーが完成しました。
ロッド部分に関しては、プッシュロッドのM6のネジ穴にM6-M8変換アダプターをねじ込んでM8のボルトを使うという手もあったんですが、それだと随分太っちょなロッドになりそうだったので、今回はM6のサイズで製作しました。M8の方がビューエルのブレーキペダルとの接続は簡単なんですが、見た目はこちらの方がずっとすっきりしていて良いかと思います。
ブレンボ専用のバンジョーボルトやリアブレーキスイッチなどのパーツも既に入手済みですので、次回はリアブレーキキャリパーのオーバーホールと併せていよいよこいつを車体に組み込んでやりましょう!