XB9Rのメンテナンス作業

転倒させたビューエルとロードバイクのカーボンパーツの補修

 

年始早々ガレージ内で立ちごけさせてしまったわたしのビューエルさん。そして、その下敷きとなってしまったロードバイクのフレーム。どちらも少しだけだけどカーボンに傷がついてしまったので、それを補修しなければなりません。カーボンの補修って面倒臭くて嫌いなんだけど、壊してしまったからには直さないわけにもいかないし・・・。

カーボンパーツの補修の第一歩は、割れた樹脂の撤去から。この作業はほんとうにチマチマした作業なので、このクソ寒い時期に屋外でやるのは結構苦痛です。指先しか動かさないので体が全く温まりません。かといってデザインナイフで弾かれた樹脂がいろんな方向に弾き飛んでいくので室内でやるわけにもいかないしなぁ。

カーボンパーツの補修方法は以前ご紹介させていただきましたので、よろしければそちらの投稿もどうぞ。

 

これはロードバイクのフォークにあった傷。これはわたしが入手したときからあったもので、今回ビューエルさんを倒したのとは全く関係ありません。自転車のカーボンの仕上げってバイクとは違うようで、表面の樹脂がむっちゃ薄いです。そのためデザインナイフで割れた部分を削り飛ばすのが難しい場合があるんですよね。今回もやはりそのような感覚で、樹脂層というよりも、クリアー層に近い感じ?

自転車のカーボンの補修はバイクパーツの補修以上に難しくて面倒臭いと思っています。その作業は全く好きではないですが、こういった傷もせっかくの機会なので嫌々ながらも一緒に直していきましょう。

 

こちらが今回のビューエルさん転倒事件で傷つけてしまった部分。この部分は普通のカーボンとは違って、黄土色をしているでしょ?これはカーボン繊維とケブラー繊維を組み合わせているのです。ケブラーは防刃素材などにも使われている強靭な素材。また、カーボンよりも更に軽量らしいです。その分お値段も高いそうで・・・。バイクパーツでも高級なカスタムパーツでは使用されていることがあるそうですが、そんなこのフレームの一番のウリであろう部分に、今回傷をつけてしまったわけなのです。クラックが入らなかっただけ良し、と思うしかありませんね。

 

割れた樹脂パーツを削り飛ばしたら新しく樹脂を塗るわけですが、その前に足付けのためのサンディング。サンディングは樹脂を塗る箇所よりも広めに足付けするのがポイントでしょうか。足付けが不十分だと硬化後の樹脂は簡単に剥がれてしまいます。

 

樹脂は粘度が低いので予想以上に簡単に垂れてしまうんですが、垂れると後々の修正が面倒臭いので、垂れにくようにしっかりマスキングしてから塗ります。

使用する樹脂は一般的なFRP用樹脂ではなく、カーボンパーツ用の透明度の高いものを使用しています。もちろん、カラっとしっかり固まるインパラフィンタイプ。ノンパラフィンタイプはベトベト感が残ってしまうので、今回のような表面部分での使用は絶対にNGです。

 

樹脂がしっかりと硬化したら、削って整形してやります。凹みが残っていたり削りすぎてしまったら、また樹脂を塗って削るの繰り返し。わたしが下手なだけかもしれませんが、これまでの経験上、1回で仕上がることはまずありません。カーボンパーツの補修はとにかく地味な作業の繰り返しで根気が必要なのです。

 

いまは1年で一番寒い時期ですが、熱で硬化が促進されるFRP樹脂は気温が低いとなかなか固まりません。なので、せっかちなわたしは家族がいない隙をついてヒーターで積極的に熱を与えています。もちろんアチアチはあまり良いとは思いませんので、表面が暖かくなるくらいを目指しています。わたしはこんなことをしていますが、硬化前のFRPの匂いってかなり強烈なので、室内での作業は全くおススメ出来ません。室内に持ち込むにしても、ドライヤーなどを使って屋外である程度硬化させてからの方が絶対にいいと思いますよ。

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