絶版車オーナーにとって貴重な部品調達の手段となる、ヤフーオークション。
個人売買のシステムとして最近ではすっかりメルカリが台頭していますが、メルカリが全く性に合わないわたしは相変わらずヤフーオークションのヘビーユーザー。所詮はネットショッピングなんですから、淡々とした形式的な最低限のやりとりでいいんですよ…。
しかしながら、ヤフオクを見るとあれもこれも買ってしまって財政破綻しそうなので、一時期極力見ないようにしていたんです。でもそんなことを言っている内に最近では出回るビューエルパーツが明らかに少なくなってきましたよね。もう財政破綻だなんてそんなこと言ってられません。買えるうちに買っておきましょう、中古部品。
そんなヤフーオークションでの中古部品調達ですが、たまに外れを引いたりしちゃうのがデメリットと言えるでしょう。というか、外れを引く確率は結構高め。
記載されている対応車種と異なる部品、曲がったブレーキディスク、ボルトが舐めたり固着した部品、事故の痕跡のあるフレームなどなど、ヤフオクにはゴミ同然のパーツや外れパーツがいっぱい。
本日ご紹介するビューエルパーツもなかなかハズレ感が強いです。
ステップ買ったよ!
というわけで、こちらヤフオクで買ってきましたXL系ビューエルのステップ。
リアブレーキマスターつきのお得なセット!…ではなさそうなのは、ブレーキマスターの状態を見れば一目瞭然。ブレーキマスターは腐食しやすい部品だから、その車両がどれだけメンテナンスされていたか見極めやすいポイントの一つですね。このブレーキマスターは明らかに使え無さそう…というか、使っちゃダメ!
これは確かX1のやつだったと思います。XL系ビューエルのステップ周りってなかなか変わった構造をしていまして、汎用品やら他車種のステップやペダルを流用しにくい感じですよね。構造自体は単純なのでもちろん費用を掛ければワンオフで製作してもらうことも可能でしょうが、今はまだなんとか中古の純正部品が手に入りますので、ストック用に購入したわけです。
でもまぁ…見るからにボロイですよね。ペダルの動きもめちゃくちゃ渋いです。というか、まともに動かないんですけど…。
見た目は商品画像で確認したから文句はないけど、このまともに動かない点は商品説明にはありませんでした。明らかにゴミを押し付けられた感がありますが、まぁオークションサイトなんてそんなもんでしょう。
それにしても、以前はXL系ビューエルの部品ってタダ同然の価格でゴロゴロ流通していたというのに、最近では本当にめっきり少なくなりました。絶版車の部品なんて増えるわけないから、当たり前なんですけどね。
ボロイX1のステップを分解…できない!?
ステップなんて単純な構造なんですから、ボロい見た目でも磨くなりして手を加えれば綺麗になるし、清掃して注油すれば渋い動きも蘇るはず。というわけで早速分解しようとするも、このステップは何故だか分解できません。とっても不思議。
仕方がないので、汎用プーラーで無理やり分解開始。プーラーの爪が綺麗に引っかかってくれないからなかなか苦労しましたが、なんとかペダルを抜き取れそう。
抜けた!!
工具はもちろんいい品質のものに越したことはないけど、特殊工具やプーラー類なんかは安物でもいいから有ると無いとではできる作業の幅が全然違います。安物でもいいから、たくさんの種類の工具をもっていると何かと助けられることが多いですね。
ペダルを引き抜くと、簡単に分解できなかった原因が一目瞭然。軸が潰れて一部が膨らんでいます。差し金の目盛りの14mmくらいの場所なんだけど…わかりますでしょうか?
これじゃあペダルの動きが渋いのは当たり前…ゴミを押し付けられたって感じていましたが、正真正銘のゴミでした。こんなの詐欺だ!
軸自体は曲がっていないようですが、その先端は斜めに凹んでいます。この潰れている部分ってフレームと垂直に接している部分だから、普通はこんな感じには変形しないはずだけど…。理由はさっぱり分かりませんが、立ちゴケでもした際に変な力でもかかっちゃったんでしょうかね。
ゴミをつかまされてとても残念ですが、部品の絶対数が少なくなりつつあるビューエルではゴミも立派な資源。修正できるなら修正して大切に使いましょう。膨れているなら削ればいいじゃない?というシンプルな思いつきで早速ヤスリでゴリゴリ削ります。このステップの軸は思いの外柔らかい素材なのか、手作業でも結構楽チンに削れます。
できた!先端の凹みの修正は流石に無理だけど、軸の膨らみは綺麗に均すことができました。
ペダルの動きも見違えるようにスムーズになりました。
軸は曲がってなさそうって先程はいいましたが、修正して組み上げると軸自体も曲がっていることが分かりました。こりゃ間違いなくコカしてステップに力が掛かってしまったんでしょうね。
これから先入手性がどんどん悪くなっていくのは間違いないXL系ビューエルの部品。綺麗にできるものは綺麗にして、直せるものは直して大切にしていきましょう。