先日はXL系ビューエルのリアアイソレーターをぶった切ったという記事を書きましたが、本日もXL系ビューエルのアイソレーターネタ。このビューエルの特徴の一つでもあるゴム製の部品は、どうやらわたしの心を掴んで離さないようです。単純に心配なだけなんだけど…
ビューエルはエンジンがフレームの一部になっていて、アイソレーターはそのエンジンとフレームを繋ぐ重要な部品。この部品がなければ車体をローリングシャシーの状態にすることすらままならないのです。
そんな重要な部品なくせに消耗品で、しかもその供給も今後は一切保証無し…。こんな状況、普通に考えたら不安すぎるでしょ!?
そんなわけで今回はそんなアイソレーターの代替パーツについてご紹介したいと思います。
これが純正のアイソレーター
代替部品のご紹介の前に、まずは純正のアイソレーターのご紹介。
このボロボロのアイソーターはわたしのサイクロンM2についていたビューエル純正のアイソレーター。左側の菱形のものがフロント側で、右側の丸っこいのがリア側です。
リア側はスイングアームピボット両端で使用するので、1台につき2個使用。写真のものは左右共有の古いタイプなんですが、高年式の車両では左右別々の品番のものに切り替わったみたい。いや、高年式と言っても20年ほど前の車両なんだけど。
部品 | PART NO. | 部品名 |
フロントアイソーター | 16207-79B | FRONT ISOLATOR |
リアアイソレーター(初期型) | 47680-94Y | REAR ISOLATOR |
リアアイソレーター(改良型) | L0505.9 / L0504.9 | REAR ISOLATOR,RH / LH |
フロントアイソレーターの品番はサイクロンM2のものなんだけど、サンダーボルトのパーツリストでは16219-79Bになっていました。物は同じと思ってたけど、何か違うのかな?
ところで、16207-79Bのような5桁の数字-2桁の数字という表記はハーレーではお馴染みのもの。前半の5桁の数字はパーツを表し、後半の2桁は管理が始まった年(つまり、開発された年)を示すのです。このような表記をしていることからも、ビューエルがハーレーと密接な関係にあることが分かりますね。
え?じゃあ、ビューエルのアイソレーターって1979年・1974年から?
っていう疑問が湧いてきますが、そんなわけはありません。だって、ビューエルは1987年創業ですからね。
この79年・74年に開発された2つのアイソレーターは、ハーレーのFXRの部品です。つまり、ビューエルはその部品をそのまんま流用してたってわけですね。
ハーレー用なら豊富な社外パーツがある!
XL系ビューエルのアイソレーターがハーレーの部品をそのまんま流用していたとなると、その供給について心配することはありません。ハーレーなら旧車のパーツでも供給されることが多いし、もし無かったとしても豊富なサードパーティー製パーツ(社外部品)があるからです。
というわけで、早速THE・社外パーツであるDRAG Specialtiesの製品を取り寄せてみました。
フロントアイソレーター、リアアイソレーター共に1個3,000円強。純正アイソレーターの価格と比較するとすんごく安いので助かりますね。使えたらの話だけど…
先程のビューエルでのパーツNoと随分違うOEMパーツNoなのが気になるけど、対応する車種と年式的にものは同じはず。きっと。
リアアイソレーターの比較
ハーレーFXRのパーツNoだとか、各年式毎の違いについては全然詳しくないけど、少なくても部品の形状を見る限りではXL系ビューエルと同じっぽい…というのは間違いないと思っています。
本当はFXRの純正アイソレーターを用意したかったんだけど、使えるのかどうか確証がないものにしてはすっげー高かったので、今回は廉価なDS製を取り寄せてみました。品番は0933-0053。1986年~1994年のFXR、1986年~2008年のFLTで使用できる部品のようです。
早速XL系ビューエルのアイソレーターと比べてみました。使用しておりますのでS1ライトニングで使用されていた古いタイプのアイソレーターで、もちろん写真左側がそれです。
触ってみた感じ、材質は全く違いがあるようには感じませんでした。
そして、形状に関してもご覧の通り瓜二つ。当然、互換性はありそうな感じです。
DS製の方が側面のスリットが1本多いですが、先日のアイソレーターぶった切りの結果を考えると補強の金属板が一枚多いってことですよね?
フレームとの位置合わせのピン差し込み部はDS製の方が明らかに広いのが大きな違い。アイソレーターの位置は中央のでっかい凸で決まるけど、XL系ビューエルの純正アイソレーターの方がよりしっかりと位置合わせできそう。それがどの程度影響があるかは分からないけれども。
フロントアイソレーター
一方こちらはフロント側のアイソレーター。同じくDRAG specialties製で、品番はDS-243515。1980年から2008年に渡って主にツーリングファミリーを中心として様々な車種で使用されていたようです。
早速こちらもXL系ビューエルの純正アイソレーターと比較…と思きや、一瞬触っただけで両者に大きな違いがあることが分かります。
それは、硬さ。
ビューエル純正がいかにもゴムって感じのブヨブヨした感じであるのに対し、DS製のものはかなり硬質な感じ。弾力はほぼありません。どうやら材質はウレタンのようです。
とはいうものの、寸法や形状に関してはリアアイソレーターよりも一層瓜二つ。少なくてもわたしは見分けられる自信がありません。写真ではDRAGspecialtiesの物の方が中央のボルト穴が大きいように見えますが、測定してみるとどちらも13.3mm程でした。
アイソーターは振動を吸収する為の部品なので当然弾性が必要となるわけですが、このDSの製品にはそれがほとんどありません。この点がすごく気になるけど、FXRの世界ではアイソレーターを金属製のスペーサーに置き換えるカスタムもあるくらいだし、この硬さは意図したものって可能性もありますよね。
こうなると、FXRの純正アイソレーターがどんな感じなのか気になってくるなぁ…。でも、高いんだよなぁ。
結論
注意ポイント
リアアイソレーターはDRAG Specialtiesの製品が全然使えそう。
フロントアイソレーターも取り付けは出来るだろうけど、恐らく乗り心地が相当ソリッドになるはず。
という感じ。将来的にアイソレーターが手に入らなくなってXL系ビューエルが乗れなくなる…という心配がないことが分かったのは嬉しいことだけど、今回調査したパーツでは乗り心地は犠牲になってしまいそうです。まぁ、振動が増えることが嬉しい人も世の中には多くおられるみたいですけどね。