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kawasaki ニンジャH2 @カワサキワールド

 

わたしは昔兵庫県は神戸市に住んでいた時期があるんですが、神戸でできた友人・知人たちの中にはカワサキで働いているという人が結構多かったです。そう、神戸はあのカワサキこと川崎重工業の本社があり、それに関連する様々な工場やオフィスがたくさんあるのです。

そんなこともあり、神戸市中央区にある海洋博物館の内部にはカワサキの製品や技術を紹介する「カワサキワールド」という施設があるんです。どちらかというと子ども向けの展示が多く、また全体の規模もあまり大きくはないのですが、古いバイクなども展示されており、バイク好きならきっと楽しめるはず。

わたしも度々訪問させて頂いているのですが、本日はそんなカワサキワールドの展示物をちょこっと紹介させていただきます。

 

というわけで、今回はカワサキの「ニンジャH2」

量産車でありながら過給機を搭載したことで話題となったやつですね。映画「トップガン マーヴェリック」でも登場しましたが、実は撮影で使用した実物の「GPZ900R」と「ニンジャH2」が期間限定でこの海洋博物館で展示されていたようですよ(~2023/1/22)。知らなかった・・・

 

素人的には「バイクに過給機を付けただけ」の一言で終わってしまいそうですが、そのためにはとてつもない技術が必要だったようです。ニンジャH2に搭載された過給機エンジンは、このとおり文部科学大臣から科学技術賞を頂いているのです!

・・・これがどれだけすごいことなのかはわからないけど、このように誇らしげに展示されていることからも、きっとすごい栄誉なんでしょうね。

 

発明の名称は「高出力低燃費を実現した大型二輪車用過給エンジンの開発」

へー、低燃費なんだー・・・と思って調べてみると、一般ユーザーの公道走行であれば20km/L程度の燃費らしいです。車重238kg、排気量998ccの最高出力231psというスペックを考えると、確かに低燃費かも。燃費走行で最高出力は関係ないかもしれないけど、わたしのXB9Rは車重175kg、985ccの最高出力92psで燃費はたぶんあまり変わらないくらいですから、スペック含め時代と技術の差を感じちゃいますね。

 

エンジンの上に乗っかっているアルミのでっかいパーツ。一見エアクリーナーに見えますが、これはサージタンクでしょうか。エンジン後方の過給機(赤いパーツ)と繋がっていますし。

 

サージタンクと書きましたが、カワサキでの名称は「インテークチャンバー」なんだとか。いずれにせよ加給した空気を貯めておく場所ですね。上部には配管のようはものがついていますが、これはインジェクター?こんな高い場所で?と思っていると、カットモデルを見る限りではこの場所とスロットルボディとで2回に分けで燃料を噴射しているようです。

 

あの銀色のでっかいのがエアクリーナーでなければ、エアクリーナーはどこに?と思ったんですが、どうやら車体の反対側に小さいものがあるようです。過給機への空気の供給は車体前方のダクトから行われるんですが、この位置にあるのは当然高速域でのラムエア効果を狙ってのもの。スペック上ではラムエア効果により最高出力が16psアップするのだとか。

 

昔からカスタムでバイクに過給機を取り付けるというのはよくありますが、そのどれもが”いかにも”という雰囲気でごちゃごちゃしていました。もちろんそれがいいっていう人も多いとは思うけど、このニンジャH2はまさにその真逆。こうやって外装を取っ払っても、過給機がついているなんて雰囲気は全然ありません。インタークーラーもありませんしね。

 

過給機はスーパーチャージャーなので、タービンはクランク軸のパワーで回しています。後付けのスーパーチャージャーだとでっかいベルトなんかで回すことが多いですが、このニンジャH2ではタービンの駆動もものすごいコンパクト。雰囲気はまるでセルモーターですよ。

 

 

エンジンのカットモデルもありました。もう、これでもかといういうくらいのギッチギチぶり。サージタンクからスロットルボディ、そしてインテークポートへの流れがすごい綺麗な一直線。スロットルボディとシリンダーヘッドをつなぐインテークマニホールドが、ほぼ存在していないような短さです。

最近ではもはや当たり前ですが、シリンダーはクランクケースと一体型。最近の車両ではシリンダーの摩耗とか交換なんてものはもう無縁なのでしょうか。

 

過給機はとても繊細そうな造りをしております。

 

展示車両はスリックでした。展示の名称は「ninja H2」となっていましたが、保安部品もついていないし、実際はサーキット向けの「ninja H2R」でしょうか?

最近の車両には詳しくないんですが、スイングアームは片持ちなんですねー。ブレーキとチェーンのどちらもが車体の片側にあるっていうのが、どうも想像がつきません(目の前にあるのだけど)。素人目にはバランス悪そうですが、世界のカワサキがこのような車両で採用しているくらいなんですから、片持ちスイングアームにはちゃんとメリットがあるのでしょうね。

 

というわけで、本日はカワサキワールドにあったニンジャH2のご紹介でした。

市販車なのでそこらへんに走っているはずですが、出不精なわたしはこれまで一度もお目にかかったことがありません。そんな車両をカットモデル付きでじっくりみることができてよかったです。

こんなモンスターマシン、わたしには一生縁はないでしょうしそもそもあまり興味のあるジャンルではないですが、それでもとても格好いいなと感じました。まさに機能美というやつでしょうか。これを見た後に改めてわたしのビューエルさんを見ますと、随分もっちゃりとした造りに見えて仕方がありませんが・・・それも時代とお国柄の違いってことでしょうかね。

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