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ロードバイクのヒルクライムが辛すぎる問題
バラ完で手に入れたわたしにとって初めてのロードバイクである『ビアンキ ヴィア ニローネ7 アルカーボン』。人生で初めてロードバイクという乗り物に乗ってみて感じたのは「クロスバイクとは全然違う」ということ。
ロードバイクとクロスバイクってほんとうにそんなに違うの?ってずーっと疑問に思ってたんだけど、うん、全然違う。とくに平坦な道での加速感と最高速度が全然、違う。わたしのような素人でも全然違うと思えるくらい、違う。これはロードバイクとクロスバイクに同じホイールとドライブトレイン部品を使って比較した感想だから、これがジオメトリとかポジションによる差なんだな~と感心したものです。
一方で、あれ?あんまり変わらなくね?って感じたのがヒルクライム。重量的には間違いなくクロスバイクよりロードバイクの方が軽いはずなんだけど、もしかすると1~2kgの重量差って素人がヒルクライムで差を感じる程の影響はないんじゃない?って思ってきちゃいました。人間を含めた全体重量からすると確かにそれほど大きな変化ではないし。
わたしの感覚が鈍いっていうのは間違いないんだけど、とにかく坂道がしんどい。めっちゃしんどい。これまでクロスバイクでヒーヒー言いながら登っていた坂が、ロードバイクでもやっぱりヒーヒー状態。
体を絞る目的であればこれでもいいんだけど、せっかくのロードバイクなんだからもうちょっと楽に登りたい!というわけで、楽に登れるように早速改造しちゃいましょう。
ギア比を変更して坂道をスイスイ登ろう
もう少し楽に坂を登れるように。ひいてはより楽に遠出ができるように。比較的安価に、それでいて高い効果があると思われる速度伝達比の変更を行いましょう。
速度伝達比っていうのは、原動側(入力側)と従動側(出力側)の比のことで、原動側の回転数を1としたときの従動側の回転数を表記することが多いんじゃないでしょうか。この数字が1未満だと減速比(バイクや車のエンジンだとこっち)、1以上だと増速比(自転車はこっち)って言ったりも。
自転車の場合はペダルを1回回せば後輪が何回転するのかを示す数字で、ギア比って言うことが多いように感じます。ギア比が高くなるとペダルは重くなるけど後輪がたくさん回って高速向け。逆にギア比が低くなると後輪は少ししか回らないのでペダルは軽くなって登坂向けに。
そんなギア比を変える手段は2つあって、フロント側のギア(=チェーンリング)を変更するか、リア側のギア(=カセットスプロケット)を変更するか。
まずわたしが行ったのは後者の方。後述することになりますが、前者の方法はBBとクランクの交換が必要となり、結構費用が掛かることが分かったのです。それに引き換え、カセットスプロケットの交換だけなら費用は3,000円程度で済むので結構お手軽。そう、カセットスプロケットだけで済むのならね・・・(わたしの場合は済まなかった)。
カセットスプロケット交換によるギア比の変更
カセットスプロケット交換で購入した部品
こちらがカセットスプロケットの交換のために購入したパーツたち。カセットスプロケットの交換だけで安価に済ませる予定だったのに、購入したカセットスプロケットにリアディレイラーが対応していない、チェーンの長さが足りない、という理由で両者も交換が必要に。全然、安価じゃない。
購入したカセットスプロケットはCS-HG500-10の12-28T。
わたしはST-5600などの古い10速パーツを使用しているわけですが、現行のシマノのロードパーツでは10速用スプロケットはないみたい。廉価グレードでは8速と9速があるけど、それ以上のグレードは11速と12速が主流の様子。
10速愛用者はもう新品を諦めるしかないのか・・・と残念モードになってしまいそうなラインナップですが、シマノのホームページをよくよく見ると、グラベルロードとMTBのパーツでは10速はまだまだ現役じゃないですか。
商品名 | グレード(用途) | ラインナップ |
CS-HG500-10 | GRX(グラベルロード) | 11-25 / 12-28 / 11-32 / 11-34 |
CS-HG81-10 | SLX(MTB) | 11-32 / 11-34 / 11-36 |
CS-HG50-10 | deore(MTB) | 11-36 |
これまで使っていたカセットスプロケットが11-25Tで、わたしの脚力ではトップ側の11Tはほぼ使わないなと感じていたんです。だから選んだのは11-25Tを全体的にギア比を下げる方向に振ったような構成の12-28Tでした。グラベルロードはフロントシングル仕様にすることもあるから用意されているんだろうけど、流石に11-32Tや11-34Tはフロントダブルのロードバイクにはワイドすぎるのじゃないかと思ったのです。
左が購入した12-28TのCS-HG500-10。ギアの構成は12-13-14-15-17-19-21-23-25-28T。右側は比較用に置いたMTB用のCS-M5100。
28Tとか32Tのギアを付けていると、嘘か誠か、なんて貧弱な・・・みたいに言われることもあるそうですが、それでもMTBのギアと比べたら全然小さいことがわかります。右側はMTB用のCS-M5100の最大ギアは51Tですからね。当然スピードは全然でないけど、ペダルを回し続けていれば大抵の坂は登ることはできます。
当初購入するつもりはなかったのに購入する必要が生じてしまったリアディレイラー。急遽購入したこちらのパーツは、アルテグラのRD-6700-SS。まるで新品かのように状態はいいけど、最低でも11年以上前の部品。もちろん中古品です。
それまで使っていた105のRD-5600は最大ギア27Tまでしか対応できないので、12-28TのCS-HG500-10では使えないんですよね(たぶん)。だから28Tに対応するディレイラーが必要になったのです。
10速時代のパーツであれば、
グレード・商品名 | トータルキャパシティ | 最小ギア | 最大ギア |
DURA-ACE・RD-7900-SS | 33 | 11 | 28 |
ULTEGRA・RD-6700A-SS | 34 | 11 | 30 |
ULTEGRA・RD-6700A-GS | 40 | 11 | 30 |
ULTEGRA・RD-6700-SS | 33 | 11 | 28 |
ULTEGRA・RD-6700-GS | 39 | 11 | 28 |
105・RD-5701-SS | 34 | 11 | 30 |
105・RD-5701-GS | 37 | 12 | 32 |
105・RD-5700A-SS | 34 | 11 | 30 |
105・RD-5700A-GS | 39 | 11 | 30 |
あたりであればたぶん使えるんじゃないかな。
これらはすべて古いパーツなので、現行品であるCS-HG500-10との相性なんてやってみないと分かりません。もしシマノが互換表を公開していたとしても、シマノの互換表ってわたしにはさっぱり理解できないし、シマノが使えないっていう組み合わせでも素人的にはオッケーな場合もあるらしいので、やっぱりやってみないと分からないのです。
カセットスプロケットの交換作業
交換作業自体は工具があればとっても簡単。
まずはこれまで使っていたチェーン・リアディレイラー・カセットスプロケットを取り外し。
リアディレイラーのRD-5600は金属感たっぷりの質感でめっちゃお気に入りなんですが、残念ながらこういう金属感たっぷりの部品(DURA-ACE:7800以前/ULTEGRA:6600以前/105:5600以前)で28T以上のギアに対応しているものは無いみたい。
こういう質感の部品のニーズは未だに根強いとは思うんだけど・・・シマノさん、どうでしょう?
12-28Tの新しいカセットスプロケットを装着。ピカピカのカセットスプロケットは気分がいいなぁ。走行すると一瞬でデロデロになっちゃうけど。
リアディレイラーのULTEGRA・RD-6700-SSを取り付け・・・って、あぁ!やっぱりこのグレーは個人的にはダメだー!質感は前のRD-5600の方がはるかに好みです。
シフトワイヤーを張って、リアディレイラーのリミット調整をして、チェーンを取り付けて、変速調整をしたら完成。慣れの問題もあるとは思うけど、30分~1時間程度の作業じゃないですかね。
最大ギア25→28Tで乗り味はどれくらい変わる?
最大ギアが25Tから28Tになったということで、早速テスト走行を。
ところで、わたしの日常の足はMTBの方なんです。そう、でっかいギアがついているMTBなのです。今回ロードバイクのギアをでかくしたといっても、MTBのギアの大きさと比べると誤差の範疇みたいなもの。だからそこまで劇的な変化は無いかなー?って予想していました。
結果、予想通り劇的な変化とまでは言えないかな。でもわたしのようなド素人でもしっかり体感できるほどの効果はあります。
感覚的には、これまでよりももう一枚軽いギアが増えたような感じ。MTBと違って坂道がしんどいのは同じなんだけど、間違いなくその程度は少しマシになっています。
ギアが一枚増えたみたいに感じるのは当然のことで、今回交換したカセットスプロケットのギア構成は12-13-14-15-17-19-21-23-25-28Tなんですから、実際これまでの11-25Tよりも軽いギアが1枚増えているようなものなのです。
もちろんギアの枚数が増えているわけではないので、その分他のギアの使用領域にしわ寄せがきているはずなんですが、鈍感なわたしにはさっぱりわかりませんでした。また、最小ギアが11Tから12Tになっている弊害も全くありません。11Tがないと不便なシーンなんてないってば。
更なる登坂能力アップのためにコンパクトクランクに交換
そんな必要はないというのに、結局フロント側のギア(=チェーンリング)も交換してしまいました。
登坂能力を上げるにはフロント側のギア(=チェーンリング)は歯数を小さくする必要があるんですが、元々使用していたFC-7410では39Tのインナーギアをこれ以上小さくすることができません。これ以上小さくするにはコンパクトクランクというパーツに変えなければならないみたい。
アウターギアの歯数は同じ50Tなのに、なにがコンパクトなの?なんぜそんなものに交換しなきゃいけないの?ってこの時は理解できなかったんですが、とりあえず入手することができたアルテグラのFC-6750に交換しました。
これまで使ってきたデュラエースのFC-7410との比較。FC-7410のデザインと質感は大好きだったのですが、一方でFC-6750のダサさにはびっくりしました。このエアロチックな形状は好き嫌いは別として理解はできるんだけど、アウターリングのこのやる気のないシルバー塗装はどうしたの???って思っちゃいました。同じアルテグラでも、6600系までの質感の方がずっと高級感を感じることができました。
こちらは取り外したFC-7410の裏側。アウターリングの歯数は変わらないし、FC-6750はなにがコンパクトなの?って本気でわからなかったんですが、FC-7410のインナーリングを見て納得。ギアを取り付けるピッチの関係上、物理的にこれ以上インナーギアを小さくできないのですね。これよりも小さいギアを取り付けるには、取り付けボルトのピッチを狭くするしかありません。なのでコンパクトクランクの”コンパクト”って、取り付けピッチがコンパクトって意味だったんですねー。
でも、コンパクトなピッチでも通常のクランクと同じアウターギアを取り付けることができるのなら、そもそも素人にはノーマルクランクの恩恵って全くないんじゃね?って思っちゃいました。ギアの選択肢が多いコンパクトクランクの方が絶対にいいじゃん。
カセットスプロケット交換とコンパクトクランク化で登坂能力は劇変?
というわけで、カセットスプロケットの交換とコンパクトクランク化により一気に登坂能力を向上させたわたしのロードバイク。
ノーマルクランク+11-25Tカセットスプロケットの最小ギア比は 39T÷25T=1.56 でしたが、これからカセットスプロケット交換により 39T÷28T=1.39 へ、更にコンパクトクランク化により 34T÷28T=1.21 にまで下がりました。
ここまで下がるともう相当変わりますね。坂道がしんどいのはやっぱり変わらないけど、いつもヒーヒー言って登っていた坂をかなりの余力を残して登れるようになりました。もちろんこんなのは斜度やその距離によっても変わるから、もっと激しい坂を登りたい場合はまだまだ軽くしないとダメなんだろうなぁって思っています。
そんなわけで性能にはそれなりに満足しているんですが、
やっぱり外観は許せないくらいにダサい。なーんで、これまでのアルミポリッシュ感のある仕上げをやめちゃったんだろう?って本気で疑問に思っちゃいます。
このままでは流石にちょっとアレなので、せめて目立つアウターギア側面側面だけでもピカピカにポリッシュしてやろうと思います。