中華製の激安ドロッパーシートポストで大苦戦。やっぱり安物買いの銭失い?

 

マウンテンバイクとしては最低限形となった、わたしのゲイリーフィッシャー・ケーキ2GS

組みあがった車体で何度も里山トレイルに繰り出してみたんですが、実際に走らせてみると組み立て時には気付かなかった不満点がいろいろとでてきます。

その最たるものが、シートポスト

わたしは里山トレイルしている場所まで自走で行くことが多いんですが、サドルの高さをペダリングにベストの位置にするとやっぱり山での下りではサドルが邪魔に感じます。山についたらサドルの高さを変更するっていうのも一つの手段なんですが、それができるのは下りメインのときだけ。実際の里山では下りもあれば登りもあることがほとんどですので、それは現実的ではありません。

というわけで、本日はそんな問題を解決するドロッパーシートポストの導入についてご紹介します。

 

やっぱりMTBにドロッパーシートポストは必須でしょ

ドロッパーシートポストは手元のレバーを操作することで簡単にサドルの高さを変えることができるシートポスト。

仕組みは単純で、シートポスト内にシートポストを伸ばす機構ロック機構を設けているだけ。シートポストを伸ばす時は内蔵した伸ばす機構のパワーを使い、縮める時はライダーの体重で押し込むだけ。伸ばす機構にはエア圧タイプ・油圧タイプ・スプリングタイプの3種類があるみたい。

ドロッパーシートポストは最近のMTBではもはや必須とされている装備であり、完成車に付属していることも多いですね。でも、わたしがバラ完するときには意図的に採用しませんでした。

その理由はお値段

ドロッパーシートポストは単品で購入するとめっちゃ高いんです。ただの伸び縮みする棒のくせに、何万円・何十万円もするとはいったいどういうこと!?

でも実際に里山トレイルにでかけるようになるとこいつの必要性をめっちゃ感じますし、導入後はあまりの便利さに感動すら覚えたものです。街乗りでも便利だし、コレは絶対あった方がいい!

 

中華製の怪しいドロッパーシートポストを購入

ドロッパーシートポストが欲しいんだけど、先程ご紹介したとおりドロッパーシートポストは高いです。めっちゃ高いです。

高いのにはそれなりの理由があるのは理解しているんだけど、自分にとってどれだけ重要かも分からない段階でいきなり高い費用を掛けるのも抵抗があるので、いろいろ迷った結果こんなものを購入しました。

そう、Amazonで出回っております激安ドロッパーシートポストです。お値段1万円。ドロッパーシートポストとしては破格の安さです。

こちらのドロッパーシートポストは中華製あるあるのノーブランド品。いや、一応OUUUKLとかいうブランドで販売されていたんだけど、後日見るとすぐに販売終了していました。また、そんなブランド名は商品のどこにも記載されていません。OUUUKLとかいうブランドはとりあえず販売ページを埋めるためだけに付けたって感じですね。

その代わりにZOOMというロゴがデカデカ入っています。このZOOMっていうロゴが入っている商品ですが、Wuyuzi、DJC、Desert camelなど、様々なブランド名で販売されていました。なんて読めばいいのかすらわからないブランド名ばっか。同じ製造元(と思われる)商品をいろんなブランド名で販売するのは、ノーブランド中華製品の特徴の一つですね。

もちろん、そんなことは全然悪いことではないし、わたしも別にノーブランド商品が嫌いなわけではありません。むしろこの安さは驚異的でありとても魅力的。物さえちゃんとしていればコスパもよくて最高でしょ?そう、物さえちゃんとしていれば・・・。

 

というわけで早速ZOOMと記載されているドロッパーシートポストの紹介です。まず質感は全く悪くありません。目につく部分のほとんどはしっかりとしたアルミ製。バリがでているとかアルマイトにムラがあるとかもなく、格安商品にはとても見えません。

 

ただ、操作レバーはめっちゃ安っぽい樹脂製です。本格的なメーカーの場合、このレバーだけですごい価格なので、こんなちゃちなレバーでも付属しているだけ褒めておきましょう。

ただ、あとあとこのレバーがとてもクソであることが分かります。

 

ZOOMのドロッパーシートポストがダメダメでした

ドロッパーシートポストを取り付けたマウンテンバイクで早速里山トレイルに繰り出したんですが、結果からいうとダメダメでした。

ドロッパーシートのロック機構がダメダメ。

レバーを押し込んでロックの解除はできるんですが、レバーを離してもしばらくはロックが効きません。10秒くらいしたらようやくロックが効くんですが、その間ずっとお尻を浮かせたりして待っておかないといけません。ハードな里山でそんなことをしている余裕は、全くない!

原因はこの安っぽいレバー。どうやらこのレバー部でのワイヤーの抵抗が大きすぎるため、押し込んだ指をレバーから離してもワイヤーがスッとリリースされないみたいです。

 

その原因はレバーからワイヤーを取り外すと分かりました。そう、ワイヤーが明らかに折れ曲がっています。折れは2か所あって、先端の方の1か所はワイヤーを固定するイモネジによるものだから全然問題ないんだけど、アウターケーブル付近のもう1か所は明らかに稼働する部分で折れ曲がっているので、そりゃワイヤーの動きがシブくなるよなって感じです。どうやらレバーの根元での取り回しに無理があるんじゃないですかね。

 

そんなわけで、新たにレバーを買いました。懲りずにまた中華製品ですが、今度はお値段は少しお高め。パッケージもしっかりしているし、なかなか期待できそうです。中華製品は粗悪品から高級品までピンキリですが、これまでの経験上、パッケージや説明書がちゃんとしているものは失敗が少ないですよね。

 

パッケージから取り出しましたレバー。少しお値段が高いだけあって造りがとてもよいです。残念なのは、MUQZIという、やっぱりなんて読めばいいのか分からないブランドロゴが入っていること。ちなみに、このようにしっかりとブランドロゴが入っているくせに、Amazonで販売されているブランド名は全く違うものでした。

 

そんなロゴが残念なドロッパーシートポストレバーですが、機能に関してはばっちり。このレバーに変えてからは動作は快調そのもの。

一流メーカー品のドロッパーシートポストがシャキッと素早く伸びるのに対し、わたしが購入したドロッパーシートポストはウニョーンって感じで随分緩い動作ですが、でも、ちゃんと伸び縮みします。追加で購入したレバーを含めても1.5万円程度ですから、一流メーカー品と比べたら随分安く済みました。これならコスパも高くて大満足。

 

ZOOMのドロッパーシートポストにまた不具合発生

そんなこんなで数か月ほど大満足で使っておりました中華製ドロッパーシートポストですが、寒くなってきた時期に明らかにその動きが激重になってきました。わたしの体重ではなかなか縮めることができなくなってきたし、なんとか縮めても、今度はなかなか伸びてこない。とにかく、動きがシブい。

購入時とは明らかに動作がおかしいので、原因究明のためにバラしてみました。

こうやって見てみると、ほんとうに造りは単純です。スライドして稼働する2本のパイプの中に油圧式ダンパーユニットが入っているだけ。バイクやMTBのフロントフォークに例えると、左がアウターチューブ、中央がインナーチューブ、そして右がインナースプリングといった感じ。

 

油圧ユニットにはW.D.Fという文字が。調べたけどよくわかりませんでした。この油圧ユニットは分解不可です。

 

この中華製ドロッパーシートポストを分解して衝撃的だったのは、スライドする2本のパイプの接点となるスライドメタルがスライド”メタル”ではなく、”スライドメタルっぽい樹脂パーツ”になっていたこと。バイクのフロントフォークではこいつはテフロンコーティングがされた金属製のパーツなのにね。

 

で、どうやらこの部品がすごく怪しいんですよ。明らかにバリだらけだし、削れた跡もあるし、なんならアルミの削りカスまで付着している始末。こいつのせいで稼働時の負荷がめちゃくちゃ大きくなり、そのせいでドロッパーシートポストが正常に動かなくなったのではないでしょうか。

 

油分を落として清掃すると、不具合がはっきり分かりました。先程のスライドメタルっぽい樹脂パーツが割れているのです。普通に考えていたら筒の中にぴったり収まっているものが割れるわけないんですが、事実こうやって割れています。しかもそのせいでこの部分の径がめっちゃ太くなっているので、満足に稼働しなくなっていたわけ。設計よりも太くなっているんですから、抵抗が増えるのは当然です。

 

これが不思議なことに、どうやっても元の寸法には収まらないのです・・・。いや、ほんと、むちゃくちゃ不思議。

樹脂パーツが割れてしまっただけならまだ直しようもありますが、元の形にどう頑張っても戻らないことには接着のしようもありません。なので、こんな樹脂パーツ1つのためにこのドロッパーシートポストは廃棄が決定してしまいました。

まさに、安物買いの銭失い。

 

KIND SHOCKのドロッパーシートポストに買い替え

というわけで、中華製の怪しいドロッパーシートポストはやっぱりダメでした。ZOOMと書かれた製品はもう買わない。

でもやっぱりドロッパーシートポストは欲しい・・・

というわけで、買い替えたのはこちらのKIND SHOCKのドロッパーシートポスト・E20。格安品とはいえちゃんとしたメーカー品だし、なにより内装式ケーブルが主流の現在において、外装式ケーブルが選べるこちらの製品は貴重な選択肢なのです。古いマウンテンバイクは内装式のケーブルには対応していませんからね。

 

梱包がちゃんとしたメーカー品とは思えないような簡素なものであったり、コントロールレバーが中華製格安ドロッパーシートポストに負けず劣らずの樹脂製のショボいタイプなのには目を瞑りましょう。

 

ワイヤーの取り付け方法がちょっと凝っているせいで組み付けにくかったけど、この位置にワイヤー取り付け部があるっていうのは、サドルを上げ下げしてもワイヤーの弛みが変わらないのでとてもいいですね。ワイヤーの取り回しがとてもやりやすいです。

このKIND SHOCKのドロッパーシートポスト、大きな不具合はないのですが、使い始めたときはとにかく動きが鈍い点が気になりました。中華製ドロッパーシートポストの壊れたときと似たような感じで、スライド部の摩擦が大きいのか、とにかく動きがシブいです。使えないことは全然ないけど、気持ち的にはなんとも微妙・・・。

もうしばらく様子を見てダメならやっぱり一度分解かなぁ、と思っていましたが、1か月ほど我慢して使っているとそのうち動きがスムーズになってきました。スライド部が馴染んできた?もう少し様子を見たいと思いますが、とりあえずは大丈夫そう・・・かな?

 

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