ドラッグスターへのEASYRIDERS製ミッドコントロールkitの取り付け

※ この作業は2010年に行ったものです。

ドラッグスターはスタンダードだろうがクラシックだろうが、ステップはフォアードコントロール。いかにもアメリカンバイクらしい、足を前に投げ出すスタイルですね。なんならこれよりももっとステップ位置を前方に移動させる社外品のフォアードコントロールkitもあるくらい、みんな足を前に投げ出すのが大好きみたい。

別にこれが悪いってわけじゃないし、むしろワイルドな見た目とは裏側にポジションは結構楽チンで、乗り心地はとても快適。一方でステップの擦りやすさだとか踏ん張りにくい点はデメリットで、走行性能を重視する場合には不向きかもしれませんね。

そんな走りを重視する人に人気があるのが、ステップをグッと後ろに移動させるミッドコントール(ミッドコン)。後ろに移動させるといってもフォアードコントロール(フォアコン)に比べての話で、オーソドックスなネイキッドバイクと比べるとまだまだ前より。ヤマハのSRなどのような昔ながらのオートバイのステップと同じくらいの位置でしょうか?

このミッドコンはハーレーでフリスコスタイルが流行った頃くらいからカスタムパーツでも見かけるようになった記憶があるんですが、気にはなっていたものの、比較的高価なことと組み合わせるマフラーが限られるこもあってなかなか手を出すことができませんでした。だけどわたしのドラッグスターも倒立フォークや軽量なアルミタンクが取り付けられるなど、どんどん走りに振ったカスタムが進んでいることから、満を持してミッドコン化してしまうことに!

造りはどうなのか?乗り味はどうなったのか?取り付け作業と合わせて紹介します。

 

EASYRIDERS製のミッドコントロールkitを購入

というわけでヤマハのドラッグスター400をミッドコン化をするわけですが、やっぱりお手軽なのは専用のキットを使用する方法。

ステップ周りの構造ってそれほど複雑ではないので、自作したり、他車種のパーツを流用したりしてミッドコン化させるすごい人も世の中にはおられます。でも、わたしの工作レベルでは到底そんなのは無理なので、大人しくプロが作った製品を取り付けましょう。

しかしながら、カスタムパーツが多いとされるドラッグスター400でもミッドコントロールkitを販売するパーツメーカーはまだまだ少なく、当時EASYRIDERS製のエキパイを愛用していたわたしにはミッドコンkitもEASYRIDERS製の製品一択でした。

というのも、ミッドコンは取り付ける位置の都合上、エキパイとの組み合わせが滅茶苦茶シビアなのです。その点、当時のEASYRIDERSのカタログにはわたしが使用していたエキパイとミッドコンkitを組み合わせたデモ車両がたまたま掲載されていたもんだから、パーツの相性については保証されてるも同然。また、もしそのようなデモ車がなかったとしても、エキパイとミッドコンkitが同じメーカーならメーカーに問い合わせることもできますからね。

というわけで、前置きが長くなりましたが、こちらが購入しましたEASYRIDERS製のドラッグスター400用ミッドコントロールkitです。

 

kitというだけあっていろいろ入っています。取り付けネジやカラーが入っているのは当然として、

ねじロック剤やリアブレーキスイッチの延長ハーネス、そのハーネスを固定する結束バンドまで付属しているのにはびっくりしました。これ以外必要なものは取り付け工具と少量のグリスだけという、まごうことなき"kit"です。世の中には名ばかりのkitがたくさんありますが、こいつはまさにいたれりつくせり!

 

説明書もかなり丁寧に記載されているので、誰でも迷わず作業することができるでしょう。

 

あぁ!ペダルの溶接部分が盛大に錆びてるぅ!EASY RIDERSさんの品質管理はどうなってるんだ!…なんてことは言うつもりはありませんが、ちょっとがっかりしたのは本当です。

 

ドラッグスター400へのミッドコントロールkitの取り付け作業

取り付け作業は説明書に従ってやればなんら難しいことはありません。

まずはミッドコンの組み立て。このミッドコンkitのペダル可動部にはベアリングなどは入っていないので、スムーズに動くよう、また磨耗が生じないように必ずグリスを塗っておきましょう。普通の万能グリスで十分ですよ。

 

ネジを何か所か締め付けるだけで、あっけなくミッドコンが組み上がりました。スチール製のプレートにステップがねじ止めされているだけですから、シンプルな構造です。

 

なお、ご覧のとおりステップは非可倒式なので、もしバイクをコカしたらプレートがひん曲がりそうだなぁって思いました。

 

組みあがったステップ一式を車体に取り付けるんですが、右側はクランクケースカバーのボルト穴を使って固定します。マフラーが邪魔になるので、取り外したりずらしたりしましょう。

 

面倒くさいのはマフラーの脱着だけで、ミッドコンの取り付け自体は超簡単。なんせ車体への取り付けは細いM6のボルト4本だけなんですから。

この取り付け方法、手で触った感じではグラつきもしなりもなく剛性は問題無さそうなんだけど、手で触るのと体重をかけるのではわけが違いますからね。取り付けボルトは細いし、なんだかとても不安になってくる取り付け具合です。

 

今度は左側。左側はアルミ製の装飾カバー(ゼネレータカバー)との併用ができない仕様なので、まずはボルト2本を取り外して装飾カバーを外します。この装飾カバーはゼネレータカバーという名前のくせにその奥にジェネレータがあるわけじゃなく、ドライブシャフト根元の丸いクランクケースカバーがあるだけ。今回はその丸いカバー(オレンジのOリングがくっついているやつ)と装飾カバーが固着していたようで、こんな感じでまとめて外れてしまいました。

 

丸いクランクケースカバーは固着が激しく、無理矢理固着を剥がそうとしてその結果バキッと破損させてしまいました。なので実はここで少し作業はストップ。部品お取り寄せタイムです…。

 

で、数日後手配した新しいパーツ(中古品)を取り付けて作業再開。

右側同様、左側もミッドコンの取り付け自体はとても簡単。右側はM6のボルト4本でしたが、左側はM6のボルト3本とますます不安になってくる構造です。3本のボルトのうち1本はアルミ製のクランクケースではなく、鉄製のフレームに取り付けられているのがせめてもの救いでしょうか…。

 

最後にブレーキペダルとシフトペダルの調整と、ブレーキスイッチの接続を行えば取り付け作業は完了です。

 

EASYRIDERS製ミッドコントロールはどう?見た目はは?乗り味は?

見た目

これは普通。可もなく不可もなくといった無難なデザインなんじゃないでしょうか。

国産アメリカン・ハーレー共にクランクケースカバーやプライマリーカバーのネジ穴を使って装着するミッドコントロールkitが存在しますが、それらの中にはカバーと干渉しないようする為、かなり外側に出っ張ったり、ごっつくなるものが多いのです。そういうタイプだとクランクケースの造形が台無しだし、いかにも後付けって感じが強すぎます。その点、このEASY RIDERS製のミッドコントロールkitはうまくクランクケースを避けており、圧迫感はほぼありません。ドラッグスター400のデザイン自体がミッドコン化に向いているのかもしれませんね。

ただ、車体左側はアルミ製の装飾カバー(ゼネレータカバー)を取り外す必要があるので、これをかなりのネガティブポイントと捉える人は多いかも。アメリカン系バイクってやっぱりメッキパーツでギラギラさせたいって人は多いでしょうし、このカバーがなくなると造形的にもそこら辺が一気に寂しくなりますからね。

なお、わたしはついでにゼネレータカバーの後ろにあるドライブシャフトのユニバーサルジョイントを隠している大きなメッキカバーも外しましたが、そちらははミッドコンとの併用は可能ですよ。

 

乗り味

乗り味は文句なし。フォアコンよりも膝が曲がるのでやや窮屈な感じはしますが、ニーグリップはしやすいし、ステップも踏み込みやすいので操作性は明らかにあがります。

ただ、ステップが金属丸出しのタイプなので、長時間乗ったときの快適さはイマイチ。雨の日は滑るし、徐々に足が痛くなります。やっぱりステップはゴムがついてないとダメかなぁ。

 

やっぱり構造が不安…

EASYRIDERSのミッドコントロールキット。ボルトオンのミッドコンが買えるというのはとてもありがたいことなんですが、わたしが一番気になるのはやっぱり車体への取り付け方法。

  • M6という細いボルト数本での取り付け
  • ネジ穴はバイクにとって超重要なクランクケースのものを利用
  • クランクケースは柔らかいアルミ製
  • ステップは可倒式じゃないから、バイクをこかしたときのダメージを逃すことができない

という感じで、強度について不安を感じる要素が盛り沢山。ネジ穴破壊=エンジンASSY乗せ換えですから、結構半端ないリスクを抱えているんです。

純正のステップの固定方法をみれば一目瞭然なんですが、ステップって本来はフレームにがっちりと固定するもの。ただ、ハーレー用のパーツでもプライマリーカバーなどを利用するミッドコンkitはあるからこの方式が絶対ダメ!というわけじゃないんでしょうが、万が一を考えるとせめてステップは可倒式のものに交換した方が良さそうだなぁ。

 

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