ロードバイクの本体ともいえるフレームをピカピカにすることができた、元オンボロの『ビアンキ ヴィア ニローネ7 アルカーボン』。フレームも綺麗にすることができたので、暫定のパーツを使ってひとまずロードバイクの形へと組み上げていきましょう。
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TOKENのBBで問題発生。R側がのネジが取れた!
駆動系のパーツはエスケープR3で使っていた10速のものをそのまま流用。古い自転車の部品って金属の質感たっぷりでめっちゃ雰囲気が好きなんです。
わたしはレースするわけでもないし、そもそもロードバイク初めてなので物の良し悪しがさっぱり分かりません。なのでまずは見た目重視でこれらの部品を使ってみましょう。不満に感じたならそっから交換すりゃいいだけだしね。
使用するクランクはDURA-ACEのFC-7410。このクランクはほぼ専用となる短い軸長のBBが必要なことから、買うならBBとセットでと言われることがあるみたい。わたしが調べたところ、このTOKENのTK838HALが互換品になるはず。実際にエスケープR3でずっと使っていても問題はなかったから、間違いないとは思うんだけど。
ところで、この取り外したTOKENのTK838HAL。なにやら様子がおかしいのが分かりますでしょうか?
BBって取り外すときはL側のネジ部分だけをまず取り外し、その後R側からBBユニット全体を取り外すのです。ところが、今回はL側からBBユニット全体が抜けてしまい、本来BBユニットと一体化しているはずのR側のネジ部分だけが車体に残ってしまったのです。
このR側のネジ部分が外れただけなら大した問題でもないんだけど、困ったのは本来簡単に取り外すことができるはずのL側のネジ部分が強固にBBユニットにくっついてしまっていること。
いろいろ試しましたが、取り外したいL型のネジ部分を車体に逆向きに取り付け、BBに取り付けたネジをコンコンと叩くことで無事取り外すことができました。BBの左右のネジは向きが違うので、L側を取り外したいときは必ず車体左側のネジ穴を利用しましょう。
こういうトラブルが起こると、やっぱりシマノ製じゃないと・・・って思ってしまうんですが、そうはいってもFC-7410に対応するBBはこいつくらいしかわたしは見つけることができなかったので、今回のように四苦八苦しながら使い続けるしかありませんね。
せっかくの機会だから各パーツの重量を測定
ロードバイクといえばその重量を気にする人が多い乗り物。自転車自体のダイエットってめっちゃお金掛かるのでわたしはまだ興味はないけど、せっかく完全にバラバラなので各パーツの重量を量ってみました。
フレームは1.58kg。
フロントフォークは508.2gだったので、フレームとしての合計は約2.1kg。ネット調べによるとカーボンフレームの重量は800~1500g程度らしいので、まぁお値段相応の重量ってところでしょうか。600gの重量差に十何万円も必要となるんですから、自転車のダイエットにはたいへんお金がかかるのです。
軽さを正義とするロードバイクのホイールにおいて、なんと今回は暫定ではあるものの、エスケープR3のホイールを流用します。エスケープR3は安価ながら品質の良いアルミフレームを持つことで知られていますが、一方でフレーム以外のパーツはまるでダメダメ。とくに前後ホイールは最悪と名高いパーツなのです。
そんな悪名高い前後ホイールとタイヤの重量は合計2.96kgでした。タイヤとチューブ込みなので、前後ホイールセットの重量は2.3kgくらい?
ロードバイクのエントリーモデルで採用されることの多い『鉄下駄ホイール』の重量は前後2.0kgくらいらしいので、言われているほど悪くはないんじゃない?って思っちゃいました。300gも違ったら全然違う!って世界だとは思うんですけど。
エスケープR3のホイールだし、フラットペダルだし、10速だし、でもそれでもロードバイクを組み上げることができるだけの部品はとりあえず揃いました。
ハンドルバー周りの組み立て
ロードバイクの組み立てといっても、規格化されたパーツを組み付けるだけなのでとくに難しいことはありません。基本的にはクロスバイクやMTBの組み立てと同じ。
サクサクっと前後ホイールとステムを取り付け。この時はMTBと同じイメージでステムを取り付けたけど、ロードバイクではこんな上向きだと前傾ポジションがとれません。完成後に試乗してみたところ、これは全然ポジション違う!ってなって、後々ステムの向きや長さはいろいろと検討することになります。
ハンドルバーはシマノPROのLTコンパクト。幅は380mmです。ステムと同様にハンドルバーもいろいろと試さないと分からないと思うんだけど、ステムと違って交換が少し面倒なパーツなので、かなり悩んだ結果これにしました。フレームもSサイズだし、できる限りコンパクトなものを選びました。
そうそう、STIレバーはきっちり左右対称に取り付けるのが結構難しいので、ハンドルバーにSTIレバーを取り付けてからハンドルバーを車体に取り付けた方が絶対いいです。車体にハンドルバーを取り付ける前であれば、水平な地面に置いたりすることでSTIレバーの取り付け位置が左右対称になっているかどうか確認しやすいのです。
一方で車体にハンドルバーを取り付けてからでは、STIレバーをきっちり左右対称にするのは結構無理ゲーだと思うのですが、どうでしょう?細けぇことはどうでもいいんだよ!って人にはどうでもいいことかもしれませんが(正直なところ、わたしも結構どうでもいいと思っています)。
シマノの製品だけではないけど、ハンドルバーにメモリがあるとセンターの調整がしやすくていいですね。ステムはGIZA PRODUCTSの製品。こういうアルミの金属感たっぷりのパーツが好きなんです。
駆動系の組み立て。フロントディレイラーで大苦戦
本来外れてはいけない部分が外れてしまい、本来外れるべき部分が外れないTOKENのBBを取り付けて、クランクなどの駆動系の部品を組み立てていきます。
フロントディレイラーを取りけ用としたら、あっ!クランプのサイズが違う!
そう、エスケープR3のシートチューブの外径は31.8mm、このヴィア ニローネ7の外径は34.9mmだったのです。初歩的なことなんだけど、フロントシングルのMTBに慣れきっていたので、全く注意を払っていませんでした。
急遽34.9mm用のフロントディレイラーを調達。31.8mmと34.9mmはこんだけ違います。もちろん必要性があるからこの部分のパイプが太くなっていると思うんだけど、エントリーモデルのロードバイクのシートチューブでもそんな剛性が必要なもんなんでしょうかね?
長さを調整したチェーンを取り付けて、前後ディレイラーの調整をしたらドライブトレインは完成・・・って思っていたんですが、ここからかなりのドツボに嵌ります。
問題はフロントディレイラー。どれだけ頑張って調整しても、シフトが満足できるレベルまで調整することができなかったのです。
部品の組み合わせは、STIレバーがST-5600(10速)、チェーンリングがFC-7410(8速)、フロントディレイラーがFD-6600(10速)。チェーンリングだけ時代が違うけど、そこは変速性能に大きく関わることはないことはこれまでのエスケープR3での運用からはっきりわかっています。
観察していると、どうもSTIレバー操作時のディレイラーの移動量が少ないんです。だからいくら調整しても、インナーリングとアウターリングの両方でばっちりなフィーリングにはならない。どちらかを優先すると、もう一方がダメダメになるのです。
フロントディレイラーがダメなのか?と思ってロングアームのものを新たに用意したりもしたけど、一向に解決せず。お金と時間ばかりがかかってしまいます。
最終的にはSTIレバーとわたしの知識不足が原因だということが分かったんです。これも悪名高いことですが、ST-5600はダブル・トリプル兼用の仕様。なのてラチェットは2回ワイヤーを巻き取ることができるのです。わたしはダブルで運用していますが、操作するときに1回しかワイヤーを巻き取っていなかったのです。ダブル仕様でも、2回ワイヤーを巻き取れば満足いくシフト調整ができることが分かりました。
冷静になって考えると、ダブル仕様で1回巻き取りで調整できたとしても、STIレバーはもう1回分ワイヤーを巻き取ることができるのですから、操作をミスったら容易にチェーンを落としてしまうじゃないですか。だから2回操作で調整するのは正解。
でも、こんなのどう考えてもシフト操作の効率が悪いですよね。後にダブル専用のモデルが出たみたいですが、そりゃそうだろうと思っちゃいました。
中古部品は怖いよ(ブレーキ編)
ブレーキはアルテグラのBR-6500を用意しました。何度も言ってるけど、こういう金属感前回のパーツが大好きなんです。
かなり状態は良く見えたけど、中古部品なので隅々までチェックするためにとりあえず完全分解。こういう造りになっているのかーって、めっちゃ勉強にもなります。
めっちゃ状態はよく見えたんだけど、そうはいってもやっぱり中古部品。ブレーキシューの取り付けボルトのネジの状態が悪く、それを無理やりねじ込んでいる状態でした。一見綺麗な部品って、誰かが分解・清掃している可能性が高いってことだから、こういう不具合って結構多かったりします。切削油を塗りこんでからダイスを通してネジを修正しておきます。
あと地味に困ったのはブレーキの取り付けボルト。ボルトというよりかは、雌ネジなので長いナットとでも言いましょうか。シマノだと取り付けナット、他のメーカーだと沈頭ナットという呼び方をしているみたい。
こいつの厄介なところは、最適な長さがフレームによって違うということ。今回もいろんな長さのものを購入して試す羽目になりました。しかもナットの頭がフレームに収まらないものだから、削って寸法調整までしなきゃいけない始末。
自転車のパーツは規格化されたものばかりですが、バラ完ではこういう細かい調整が必要になりがちですね。
仕上げはバーテープ巻き
前後のディレイラーとブレーキにワイヤーを張って調整をしたら、あとはバーテープを巻くだけ。
クロスバイクやMTBと違い、ロードバイクではブレーキとシフトワイヤーのアウターケーブルをバーテープの内側に巻き込みます。バーテープを巻く前にマスキングテープで固定しておくとバーテープ巻きが断然しやすくなります。
でもこれ、正直めっちゃメンテナンス性悪いですよね。ハンドルバーを気軽に交換できないのはこの構造のせい。ドロップハンドルはハンドルバーの握り方の自由度が高いのがメリットですが、そのメリットの裏返しによりバーテープを巻かなくてはならず、それによりこのメンテナンス性の悪さが生じます。
バーテープもどんなのが自分に合っているのかまだわからないので、質感が好みなリザードスキンズのバーテープをチョイス。厚みは1.8mmですが、適度にもっちりしていてこれくらいがちょうどいいかも。
初めての『ロードバイクのバラ完』が完成
そんな感じで初めてのロードバイクのバラ完が完成です。
前後ホイールがエスケープR3のものというのはロードバイクらしからぬ点だけど、それでも見た目はちゃんとロードバイク。早速試しに乗ってみたけど、クロスバイクのエスケープR3とは全然スピードの乗り方が違うくてびっくしりました。ホイールセットや駆動系の部品は変わってないのに。これが皆さんがよく言うジオメトリの違いかぁととても関心しました。
一応重量を量ってみると、9.33kgでした。現代のロードバイク基準ではかなりのヘビィ級かと。
元々が競技志向ではなくツーリング志向のフレームである点と、前後ホイールは暫定エスケープR3のものを使っていることを考えると、まぁ当然の結果かもしれません。
前後ホイールはエスケープR3に返却しないだめだから、後日代わりのホイールを準備する予定です。それでどれくらいの重量になるのかはちょっと楽しみですね。