エスケープR3に乗ると、尿道が痛いんです…。
スポーツサイクルに初めて乗った人の多くが不満に思うのが、お尻の痛さなのだそう。
その原因はいろんな要因からなるのでしょうが、最大の要因はサドルであることは間違いないでしょう。
というのも、スポーティな自転車の多くは軽さを優先したような細長くてしかもペラペラなサドルを装備していることがほとんど。その細さは地面からの振動と乗り手の体重をサドルと体が接するごく狭い範囲に押し付けてくるし、そのペラペラさはその押し付けてくる力をほとんど和らげてくれないことを意味します。つまり、お尻が痛いのは当たり前ってことですね。
メーカーであるGIANT社ではエスケープR3はスポーツバイクじゃなくて”ライフスタイルバイク”に分類していることもあり、比較的肉厚なサドルと、年式によってはショック付きのサドルポストが採用されています。しかしながら、それでもわたしがエスケープR3に初めて乗った時の感想は、「お尻が痛い」でした。一般的なママチャリと比べると、圧倒的にお尻が痛いんですよね。そして困ったのは、お尻以上に尿道付近が痛いってこと。お尻の痛みはまだ我慢できるけど、尿道付近の痛みはなんだか我慢してはいけない類の痛みのように思えます。そしてこれはエスケープR3にすっかり慣れた後でも全然慣れる気配がないので、体がよろしくないことになる前に早急になんとかしましょう。
かっちょいいサドル買ってきました
というわけで、とりあえず尿道とお尻に良さそうなサドルを買ってきました。Sella Italia(セラ イタリア)という、いかにもイタリアっぽいメーカーのFlite Gel Flowというサドル。
オートバイに関する知識はそこそこあると思うけど、自転車に関する知識はサッパリですから、とりあえずクッション性が高そうで尿道を避けるような穴が開いているタイプを選びました。もちろん見た目も超重要視。実用品とはいえ、やっぱりさ、見た目は重要でしょ?レザー最高!
このサドル、乗り心地重視のコンフォート系のサドルらしいけど、わたしからしたら十分スリムでレーシーな造形。手で持ってみてもびっくりするくらい軽く、重量はなんと241g。ロードバイクの部品がどの程度の重量かは知らないけど、これくらい軽ければ十分なんじゃないの!?っていうくらい、自転車の部品って軽いんですね。オートバイとは全然違います。
軽いな~って思っていると、なんとこの金属部分はTi316という超軽量チタン合金なんだとか…。サドル表皮のレザーも含め、所有欲を満たしてくれる素晴らしい質感ですね。お尻を乗せるのがなんだか申し訳なくなってきます。
ついでにシートポストも買ってきました
尿道とお尻の痛みには全く関係がないんだけど、せっかくサドルを交換するなら…っていうことで、シートポストとその締め付け金具であるシートクランプも買っちゃったー。自転車の部品ってAmazonなんかでノーブランドの中華製品が大量に安く出回っているので、必要ないのについつい購入してしまうんですよね。
しかもカーボン製!これが重いのか軽いのかは分からないけど、とりあえず重量を測ってみたら225gでした。シートポストのサイズは車種によっていろいろサイズが違うけど、エスケープR3の場合は太さ27.2mmのものが使えます。長さはこの製品で最も短い350mmを選んだけど、それでも全然長かったです。フレームのサイズや足の長さで変わるので一概には言えませんが、300mmで十分な気がします。ちなみに、わたしは悲しくなるくらい足が短いので、250mmくらいでも大丈夫そう。軽量化にもなるし、切ってしまおうか?
シートクランプの方はアルミ製で18g。エスケープR3標準のシートクランプは手で回せるレバー付きのタイプなんですが、これって工具無しでサドルを取り外すことができるから防犯上全然よろしくなさそうな感じ。せっかく購入した真っ赤なかっちょいいサドルを盗まれるのも嫌なので、工具がないと回せないタイプに交換したかったんですよね。この部品のサイズも車種によって違うけど、エスケープR3の場合はΦ31.8mmのものが使えます。
サドルの交換は超簡単
さぁ、それでは早速交換しましょう!…といいたいところなんですが、自転車のサドルの交換なんて超簡単。シートポストにサドルを取り付けて、自転車にシートポストを固定するだけ。ほんとうに、それだけ。初めてでも5分くらいでできるんじゃないでしょうか?
ただ、事前の調査でカーボン製のシートポストは締め付けすぎると呆気なく割れるという情報を得ていたので、横着せずにきちんとトルクレンチで締め付け。シートクランプにわざわざ5Nmっていう印字があったから、指定通り5Nmでの締め付けです。
あと、シートポストにはグリスを塗るのが一般的な様子。フレームの防錆目的?でもフレームはアルミだから錆びたり固着したりはしないだろうし、ただシートポストを差し込みやすくする為?とりあえずバイク用のウレアグリスを塗ってフレームに差し込んでおきました。ホームセンターで手軽に入手できる万能グリスで十分だとは思いますよ。
そうそう、シートポストにサドルを取り付ける時に気が付いたんだけど、このカーボン製のシートポストの上部分はアルミでできているみたい。固定ボルトを締め込むときにその周りが少し削れたんだけど、削れた部分が銀色に輝いているでしょ?別にわたしは軽量化命ってわけじゃないし、むしろ各素材には適材適所ってもんがあるからこういう工夫は大歓迎だけど、カーボンとアルミの接合部が全然分からないくらいスムーズなのには驚きます。格安中華製品なのに、素直に感心しちゃいました。
というわけでサクッとサドル一式が交換出来ました。んー…むっちゃかっこいい!
…ではなくて、肝心の乗り心地なんですが、長時間乗った時にお尻が痛いのは相変わらずですが、尿道の方は遥かにマシになりました。サドルのベストな形状は人によって違うと思うけど、わたしにとってはこの形状がアタリだったみたい。自転車に乗るのが一層楽しくなりましたよ。
355gの軽量化
作業のついでに元から付いていたパーツの重量も測定しました。わたしは軽量化には全然こだわっていないけど、性能的には自転車の重量が軽いに越したことはありません。せっかく部品を交換するんだから、少しでも軽くなってたらなんだか嬉しくないですか?
Sella Italia製の軽くてかっこいいサドルと比べると、明らかに重たく感じる標準サドルはどっしり重たく405g。見た目は乗り心地良さそうですが、尿道も痛くなるし、残念ながらこれはゴミ箱直行ですね。
サスペンション付きのシートポストは395g。このサスペンションってなぜだかやたらと評判悪いですよね。確かにスポーツ走行ではペダリングのパワー伝達を阻害しそうでよくなさそうですが、日常使いなら理にかなっていると思うのですが…。最近のモデルではこの機能は搭載されていないみたいですね。
シートクランプは39g。部品交換により半分以上軽くなったわけですが、まぁ元々が軽いですから、その効果も微々たるものでしょう。
というわけで、今回の部品交換による軽量化の効果はしめて355gでした。
標準仕様の重量 | 交換部品の重量 | 重量差 | |
サドル | 405g | 241g | -164g |
シートポスト | 395g | 225g | -170g |
シートクランプ | 39g | 18g | -21g |
355gという重量についてどう感じるかは人それぞれの価値観だと思うけど、わたしならお金を掛けてまで拘るほどの重量じゃないかな~って感じです。もちろん、今回は座り心地と見た目心地を良くするための部品交換がメインなんで、そのおまけの効果として考えるならば、この軽量化効果はもちろん嬉しいんですけどね。