素人が初めて行うバラ完でMTBが完成。駆動系パーツの組み立て

 

フレームに足周りがドッキングし、いよいよマウンテンバイクらしい見た目になってきたわたしのゲイリーフィッシャー・ケーキ2GS

ブレーキパーツも取り付け、残すは駆動系のパーツのみ。今回は駆動系パーツを取り付けて、いよいよ初めてのバラ完を完成させましょう。

 

手持ちのパーツを流用するのは中止

当初は必要最低限のパーツだけ購入し、使えるものは手持ちのエスケープR3から取り外した部品を流用しようとしていたんです。理由は単純明快。お金がありません。

実際にギア比の検証などでこれらの部品を活用してはみたんですが、実際に山で使ってみるとフロントシングルで使うにはカセットスプロケットの歯数が全然足りないことが分かりました。オールドMTBのようにフロントトリプルで運用するならそれでもいいんですが、シンプルさや軽さ、山での操作性を考えるとやっぱりフロントはシングルでしょ。

そんなわけで、手持ちのパーツを極力使う作戦はあっさり撤回です。あまりお金は掛けたくなかったけど、楽しく乗れないんじゃ本末転倒だしね。

 

追加で選んだ駆動系パーツはこちら

カセットスプロケット『シマノ CS-M7000 11-46T』

フロントシングル化で必須なのが、ワイドレシオのカセットスプロケット。リアだけで平地から山での激坂までカバーしなければなりません。

購入したのはSLXグレードのCS-M7000 11-46T

これに特別こだわりがあったわけではなく、手に入るものの中で最もワイドレシオなものを選んだら、たまたまこれだっただけ。なぜかは分からないけどわたしが購入したときはやたらとカセットスプロケットが品薄状態で、一部商品なんかは定価を遥かに超える値段で販売されていたくらい。本当はよりワイドレシオなDEOREグレードの11-51Tの方が良かったんですが、手に入るだけマシって感じでした。デザインも肉抜きが格好いいDEOREの方が好みだったのですが・・・。

 

パッケージにはDYNA-SYS11とかHG-X11などといったロゴが入っています。どういうものなのかシマノのホームページを読んだけど、わたしにはさっぱり理解できず・・・。他のユーザー様のブログなどの情報によると、どうやらDYNA-SYS11というのは”マウンテンバイク11速用”ということらしいです。分かり難いから、”MTB用”でいいじゃん・・・。

 

シフター『シマノ SL-M7000』

カセットスプロケットで変速段数が決まりましたから、シフターも11s用のものを選びます。これにもとくにこだわりはなく、I-ispecではない普通の取り付け方法のものから適当に選んだだけ。SLXグレードのSL-M7000です。

 

シマノの部品の互換性はやっぱりわかりにくいです。

I-specのⅰとⅱとで何が違うのか、今回のようにI-spec対応じゃないブレーキパーツとの互換性がどうなのか、そこらへんの説明が少なくともパッと分かる箇所には記載されていないんです。多少ハンドルバー周りがすっきりするメリットに比べると、ややこしさの方が勝りませんか?ころころ規格を変えて商品数が増えるのは、在庫管理などの点からメーカーにとっては大きな負担になるはず。

 

リアディレイラー『シマノ RD-M5100』

シフター同様、リアディレイラーも11sのものから選びます。フロントシングル仕様だとリアディレイラーの選定は単純で分かりやすいですね。

これはDEOREグレードのものが飛び抜けてコスパが高そうに感じたので、即決。RD-M5100です。

比較的安価にも関わらず、金属製のボディにスタビライザー機能つき。スタビライザーって大層な名前が付いていますが、要はチェーンが暴れにくいようにテンションの力の強さを切り替える機能ですね。これをオンにしておけば、チェーンが暴れて外れたり、チェーンステーにチェーンがヒットするのを抑えることができるわけです。

 

クランク、チェーンリング『中華製スクエアテーパータイプクランク』

クランクはナローワイドのチェーンリングを装着したシングル仕様。もちろんそういう仕様のクランクやチェーンリングはシマノやスラムといった有名メーカーからも発売されているんだけど、そういった製品は27.5インチホイールと29インチホイールを想定しているもの。わたしのマウンテンバイクは26インチなので、それらには現行品のチェーンリングは小さ過ぎます。例えばSLXグレードのシングル用チェーンリングは30〜34Tですが、わたしが欲しいのは38〜42Tくらいなんです。

で、Amazonをうろうろ探していたら、30〜46Tまで対応している中華メーカー品が格安で販売されているのを発見。クランクなんて単純な構造なんだから、中華メーカー品で十分でしょ(と信じたい)。お値段は半分以下です。

 

メーカー?ブランド名?はSHHMAM。でもクランクに入っている文字はTANKE。SHHMAMの読み方は?TANKEの意味は?まぁ、気にしないようにしましょう。

造りは思っていた以上にしっかりしており、今回もまた中華パワーのすごさを実感しています。チェーンリングの選択肢の広さも素晴らしい。BBはレトロなスクエアテーパーだけれども。BBの構造の違いって一般ユーザーでも分かるもんなんでしょうかね?

 

チェーン『シマノ CN-HG601』

チェーンはシマノのCN-HG601。カセットスプロケットと同じくMTB用を示すDYNA-SYS11というロゴが入っている一方で、ロードバイクのグレードである105のロゴが入っていたり、ロードバイクのアイコンが入っているというややこしさっぷり。結局、11速ならチェーンはMTBとロードで同じってことなのでしょうか。きっとそうだよね。

 

カセットスプロケットの取り付け

それでは取り付け作業に取り掛かりましょう。

箱から取り出しましたSLXグレードのカセットスプロケット。でかいです。めーっちゃデカいなって思いました。

 

エスケープR3についていたクロスバイク用のカセットスプロケットと比べるとその巨大さは一目瞭然。エスケープR3の駆動系パーツを流用した状態で山に入ったら本当にしんどかったんですが、それも当然でしょう。MTBとクロスバイクとではこれだけギア比が違うのですから。

 

カセットスプロケットって一昔前の部品だとロードバイクとマウンテンバイクとで互換性ありと思っていたんですが、11sに関してはMTB11sという、どう考えてもMTB専用と思われる規格がある様子。わたしのリアハブはMTBのXTグレードとはいえ、少々古いもの。このスプロケットが無事取り付けできるか不安でした。

このMTB11sという規格なんですが、現物をみて納得。フリーボディの取り付け部の寸法はこれまでと変わらないんですが、最も内側に位置するスプロケットがフリーボディよりもさらに内側にオフセットしているんです。リアハブの幅が広いMTBならスポークの角度もきついのでこれでもスポークと干渉しないんだろうけど、リアハブの幅が狭いロードだとスポークがほぼ垂直に近く伸びているので干渉してしまう、ということ?

しかしながら最近のマウンテンバイクのリアハブ幅は148mmであるのに対し、わたしの古いマウンテンバイクのリアハブ幅は135mm。どちらかというとロードバイク寄りのエンド幅なのです。あれ?これ装着できるの?

 

結論からいうと問題はなかったです。しかしながら、理屈ではやはりホイールの外径やリムの幅によって干渉するしないは変わってきそう。135mmのエンド幅、29インチホイール、そしてワイドリムの組み合わせなんかだと理屈的には最も怪しいかも。そんなマウンテンバイクがあるかどうかは置いておいて。

逆に、エンド幅135mmでも26インチでナローなリムだとスポークと干渉するリスクはマシかもしれません。

 

このカセットスプロケット、スプロケット間のスペーサーは樹脂でした。こういうのは金属が当たり前だと思っていたから、ちょっとびっくり。樹脂の軽さは大きなメリットですが、油分やケミカル類に晒される場所なので、耐久性がちょっと気になります。

 

リアディレイラーの取り付け

カセットスプロケットを取り付けたら、続けて行うのがリアディレイラーの取り付け。

 

リアディレイラーの取り付け自体はボルト一本だけなので、作業の中心はリアディレイラーの初期調整ですね。

 

トップ側の調整はとくに難しいことはありません。チェーンがない状態だと目視でもスプロケットとのラインを合わせやすいので、なんとなくトップギアと一直線、もしくはやや外側になるようにリミット調整します。

 

問題はロー側。クロスバイクやロードバイクならディレイラーをぐいっと目一杯ロー側に押し込んでやればリミットの調整ができますが、今回のようにロー側のギアが馬鹿でかい場合はディレイラーのガイドプーリーが接触してしまい、うまく調整できません。11速ギアどころか、6速ギアにすら当たります。

チェーンを通した後に調整するか、チェーンを通す前ならガイドプーリーが接触しないようにガイドプーリーに前方へのテンションをかけつつ、リアディレイラーをロー側に押し付けながら、リミット調整する必要があります。手が三本欲しい!

ところで、わたしのパーツの組み合わせの場合だとロー側の調整は不可でした。調整ボルトが完全にフリーになるくらいでやっとローギアに届く感じ。カセットスプロケットもリアディレイラーもどちらもMTB用の11sパーツですが、何かしらの組み合わせがよろしくない様子。ギリギリ使えるから問題はないんですけどね。

 

更に、リアディレイラーにはカセットスプロケットとの位置関係を調整するための印(スプロケット裏側の線状の印)がついているんですが、わたしが使用している46Tの印がないじゃないか。グレードが違うせい?

 

なんとなく合わせようとしたところ、ディレイラーハンガーの形状の問題で目標とする場所まで調整できないことも発覚。この部分のネジをもっと緩めたいのに、これ以上緩めたらネジがディレイラーハンガーに当たらなくなります。

先ほどのリアディレイラーのロー側の調整もそうですが、フレームやハブとの相性によってもうまく機能しなくなることもありそうですね。今回はどちらも機能的にはギリギリ問題なかったですが。

 

クランクの取り付け

クランクは取り付けるだけならとても簡単なんですが、チェーンラインを適切にするのは少し試行錯誤が必要です。

11sですから、カセットスプロケットの5sと6sの真ん中とフロントチェーンリングを結んだ線がフレームセンターと平行になるように調整します。

・・・といっても、スクエアテーパーのBBでクランクの取り付け位置の寸法も正確には分からないし、そんな面倒くさいことしていられません。目視で適当に合わせるので十分でしょ。

 

軸長調節のためBBを一度買い替える必要はありましたが、軸長118mmのBBを使い、更にチェーンリングをクランクの内側に取り付けた仕様が最も綺麗なチェーンラインがでた気がします。見た目はチェーンリングがクランクの外側にきた方が好きなんだけど、機能が優先ですから仕方がありませんね。

 

とりあえず完成

各パーツの取り付けが完了しましたら、

チェーンを取り付けまして、

シフターのワイヤーを取り付けてある程度調整してやれば、

とりあえず完成です。あとは実際に乗ってシフターの微調整を繰り返すのみ。

というわけで、今回の作業でとりあえず形になりましたわたしの26インチオールドマウンテンバイク。

SRサンツアーのスペック詐欺のせいでひと手間もふた手間も増えてしまいましたが、そのお陰でホイールの手組みが出来るようになったので結果オーライですね。

このケーキ2GSで早速山に繰り出しましたが、楽しくて楽しくてたまりません。わたしの用途では里山ライドが中心ですが、慣れたらMTBパークにも持ち込んでみたいですね。

なお、街乗りについてはフルサスは重たいし、ペダリングロスも多いと言われていますが、このケーキ2GSはそこそこ軽量なので街乗りでも全く不満はありません。むしろ路面状態を全く気にしなくてよいので、超快適ですよ。安くていいフレームを買えたなぁ、と感じています。

 

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