素人がマウンテンバイクのバラ完(フレームからの組み立て)に挑戦。フレームは『ゲイリーフィッシャー CAKE2 GS』

 

 

マウンテンバイクの選び方は難しい

マウンテンバイクが欲しい!と思い立ったものの、実際に購入に向けて動き始めると自分好みの車種を見つけるのはとても難しいことに気が付きます。

そもそも用途が良くわからない。マウンテンバイクにはいろんな種類があるんです。

”ダウンヒル:ただ山を下るだけ。頑丈だけど重い”っていうのは分かるけど、クロスカントリー・オールマウンテン・トレイル・トライアルって何が違うの?ダウンヒルじゃないってことは、どれも山を登ったり・下ったりってことでしょ?それぞれの用途によって、車体にどんな違いがあるのかさっぱり分かりません。

多分わたしが欲しいのはゆる~い用途であるトレイル向けのマウンテンバイクだと思うんだけど、トレイル向けならどんなマウンテンバイクを選べばよいのかがよく分からないんです。

そりゃメーカーはトレイル向きとかレース向きとかカタログには書くけど、同じトレイル用でもハードテイルもフルサスもあるし、値段も超ピンキリ。例えばTREKのホームページでトレイルバイクを選択すると、20万円~170万円の自転車が表示されます。ここまで価格が違うと、トレイルバイクとは一体…と思わざるをえません。実際170万円のやつの説明をみるとエンデューロバイクって書いてあるし。エンデューロもトレイルの一部ってこと?

結局はお値段とスペックを見ながら自分の用途にあったものを選ぶ必要があるってことなんでしょうけど、車みたいにそうそう試乗できるものでもないし、スペックシートで全てを理解できない初心者にはかなり難解な世界ですね。とりあえず山道を気軽に走りたいならこれ、ちょっと豪華にしたらこれ、下りも楽しみたいならこれ、速く走りたいならこれって感じで、分かりやすい説明があると楽なんですけどね。

 

わたしが欲しいのは、26インチ・XS・フルサス

そんなわけで、ど素人ながら今回わたしがマウンテンバイクを探すにあたって必要な条件(スペック)をしっかりと考えてみました。その結果が、

  • タイヤのサイズは26インチ
  • フレームサイズはXS以下
  • 前後にサスペンションがあるフルサス

の3つの条件。

フレームの素材だとかコンポーネント(フレーム以外の部品)のグレードなんてどうでもいいんです。それよりも、妻やゆくゆくは子どもが乗れるようになるべくコンパクトな車体がいいっていうのが最大の条件。だからタイヤは26インチ、かつフレームサイズがXS以下は必須項目。フルサスは…せっかくマウンテンバイクを買うんだから、フルサスの乗り心地を楽しんでみたいなぁという欲からの、いわばこれは贅沢条件。

ところがこのうち26インチっていうのは昔は主流だったものの今では絶滅寸前のタイヤサイズで、しかもフルサスともなるとわたしが知ってるメーカーの現行車種では見つけることができませんでした。27.5インチならいくらでもあるんですけど…。

 

新車でないなら昔のモデル。選んだのはゲイリーフィッシャー

しっかり探せば新車でもあるかもしれないけど、知識の乏しいわたしでは見つけられなかった26インチでフルサスでXSサイズがあるマウンテンバイク

新車でないなら26インチが主流だった時代の古いモデルを、ってことで選んだのがこちらのGARYFISHER (ゲイリーフィッシャー)。フレーム単体での購入です。

 

メーカーの拘りなんて全くなかったんだけど、このゲイリーフィッシャーというメーカーはアメリカ人のゲイリーフィッシャーさんが起こした会社で、つまりどこぞのビューエルさんと同じでなんだか妙に気になったんですよね。そしてもうその会社はないっていうのもビューエルさんと同じ。TREK社に吸収されちゃったそうです(わたしが購入したのはTREK社に吸収された後のモデル)。夢や大好きなことを仕事にするのってやっぱり難しいんですね。

 

ケーキシリーズはロングトラベルバイクなんだって

入手したフレームのモデル名はCAKE2 GS。CAKEって多分食べるあのケーキ。同じ年式でシュガーって名前のモデルもあるしね。

トレックのホームページによると、このケーキってモデルはロングトラベルバイクというジャンルのマウンテンバイク。サスペンションのストローク量のことを自転車業界では”トラベル量”っていうらしいから、つまりストローク量が多いマウンテンバイク(=走破性が高いマウンテンバイク)ってこと?ただ、スペックをみるとトラベル量は100mmなので、当時の他のマウンテンバイクと比べても特別トラベル長が長いわけじゃないから、謎は深まるばかり…。自転車業界はほんとうに難解です。

 

ゲイリーフィッシャーは1996年以降はTREK社傘下の1ブランド扱いだった為、TREK社のホームページではまだこの車両のデータが掲載されていました。過去のモデルの情報を残してくれているのは有難いですね。それによると、どうやらわたしが購入したものは2006年モデルのようです。16年前の車両ですね。

 

ところで、TREK社のホームページによると2006年モデルの”ケーキ”には

  • ケーキ1
  • ケーキ1DLX
  • ケーキ2
  • ケーキ2DLX
  • ケーキ2GS
  • ケーキ3
  • ケーキ3DLX
  • ケーキ3ディスク

と大量の車種があった様子。なお、これらのケーキシリーズを含めて2006年のゲイリーフィッシャーのマウンテンバイクは59車種もあったようです。もちろんユーザー的には選択肢が多いに越したことはないんだけど、いくらなんでも多すぎじゃない?

スペックを読み取る限りでは、恐らくケーキ1>ケーキ 2> ケーキ3の順にグレードが高く、”DLX”がトラベル長の長いサス(130mm)を採用してコンポーネントも無印よりちょっと豪華なモデル、そして”GS”が女性向けモデルって感じでしょうか。

こんな感じで59種類全てになんらかのコンセプトや狙いがあったんでしょうけど、これだけ車種が多いと売る方も選んで買う方も大変ですね。

わたしが購入したケーキ2 GSは女性向けのコンパクトなモデル。無印やDLXと違い、唯一XSサイズを選べることができたモデルだったようです。以前は26インチが主流だったとはいえ、フルサスのXSサイズは中古市場でもなかなか出回っていません。小さいのが欲しいなら、見つけたときが買い時かもしれない。

 

憧れのフルサスマウンテンバイク

わたしの用途ではオーバースペックかもしれないけど、せっかく買うなら贅沢してみたかったフルサスモデル。なので、自転車だけどこのようにスイングアームがついています。このスイングアーム、チェーンを避けるために左右で形状が違うんですね。しかも上部のフレームはカーボン仕様です。スイングアーム本体はアルミだけど、アルミとカーボンの接合部はどうなっているんでしょ?もしかして、カーボンは装飾目的でアルミパイプの上にちょろっと巻いてあるだけ?

 

スイングアームがあるのはリアサスがついてるから。リアサスにはSWINGER SPVというものがついていました。

このSWINGER SPVというリアサスについても調べようとしたんですが、残念ながらほとんど情報は見つからず。セッティングの基準や調整方法の情報が欲しかったんですが、残念ながら試行錯誤するしかなさそうですね。ちなみに、数少ない中見つけた海外のユーザーさんの情報では、体重の軽い人向けに専用のチューニングを加えてサスペンションなのだとか。本当かな?

このサスペンションに限らず今回いろんな情報を収集しているんですが、びっくりするくらい情報が出てきません。自転車本体もそうですし、それぞれの部品についてもそう。 日頃からビューエルさんをマイナーだ、マイナーだと言い続けていますが、マウンテンバイク業界の方がずっとマイナーなんじゃないですかね。

 

各部の状態

見た目はパッと見綺麗なんですけど、やっぱり16年前のフレームなもんですから多少の痛みはあります。

一番激しいダメージはこのスイングアーム裏の塗装の削れ。この部分は山を走るときに暴れたチェーンがヒットして痛むのか、激しく塗装が剥がれています。タッチアップして、その上からなにか保護部材を取り付けてやりましょう。

また、スイングアームはこれ以外にも塗装剥がれを伴う細かい傷が多数ありますが、いずれも簡単にタッチアップ出来そう。フレーム本体は多少の傷はあっても塗装が剥げているような箇所はほぼありませんでした。状態はかなりいいと思います。

 

どれだけ大切に乗っていたとしても避けられないのがステッカー類の劣化。チェーンからスイングアームを守るためのテープは黄ばんでしまい、また糊もベトベトになっていました。こういう部分も全部剥がして、綺麗に磨かないとダメですね。

 

ダメージはスイングアームに集中しているんですが、先程の塗装剥がれ以外にもこのフレームの特徴でもあるカーボン部分にも少しばかりの傷が。カーボン繊維が割れているわけではないので、これもやはりDIYで修理出来そうです。ただ、カーボンの補修は面倒くさいんだよなぁ。

 

部品を集めてバラ完しよう

というわけでまずはわたしが入手したゲイリーフィッシャー製フレームのご紹介でした。16年前のものとは思えないくらいの状態のよさ、貴重なXSサイズ、わたしの好きなカーボン丸出しと、まだフレーム単体ながらもうすでにすっかりお気に入り。早くこいつを走らせたい!

今回フレームをまず購入したわけですが、こうやってフレームとか各部品をバラバラで揃えて組み立てるのを『バラ完』と呼ぶそうです。ド素人のわたしが今回無謀にもこのバラ完に挑もうというわけです。別に最初からそれをするつもりだったわけではなく、26インチのマウンテンバイクが今やほとんど売っていないんだからそれしか選択肢がなかったのです。

このバラ完。各部品の仕様や加工にこだわり始めたらいくらでも時間とお金がかかってしまうので、とりあえずコンポーネント類のうち、互換性のあるものは以前GIANT エスケープR3から取り外したものを流用する予定。

そうなるとまずはエスケープR3と互換性のないホイール、タイヤ、そしてサスペンションフォークを優先して揃えないとダメですね。分からないことだらけなので、たくさん勉強しないと。

 

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