ドラッグスターのフロントフォーク倒立化② 仮組みで分かったフロント倒立化の問題点

衝動的に初めてしまった、YZF-R1のフロントフォークを用いたドラッグスターのフロントフォーク倒立化。

前回はフロントフォーク倒立化に必要と思われる部品の収集を行いました。

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フロントフォーク倒立化に必要なパーツ

Contents1 フロントフォークをフルアジャスタブルにしたい!2 せっかくだから倒立フォークにしちゃおう3 必要な部品の収集3.1 ステム3.2 フロントホイール3.3 ブレーキ周り3.4 ハンド ...

今回は早速それらの部品の加工と、諸々の確認の為の仮組みを行います。果たして無事倒立フォークは装着できるのでしょうか。

 

ステムシャフトの加工

倒立のフロントフォークを取り付ける為には、それ専用のステムを取り付ける必要があり、そのステムをフレームに取り付ける為にはステムシャフトをそれ専用に作り直さなければなりません。

素人のわたしでは当然ステムシャフトを削り出すことなど出来ないので、その作業は以前よりちょくちょく相談に乗って頂いていたカスタム屋さんにお願いすることに。わたしは日頃は全くという程バイク屋さんにはお世話になっていないのですが、それでも相談できるショップがあるといざという時に助かりますね。都合の良い客で申し訳ないですが…。

 

そして待つこと数週間。

ステムシャフトが新造されたステムがわたしの手元に帰ってきました。滑らかな曲線を描いていたYZF-R1のステムシャフトが、すっかり見慣れたドラッグスターっぽいステムシャフトに置き換わっています。

なんでも、ステムシャフトはステムアンダーの下側から圧入されているだけなので、当初はドラッグスターの純正ステムシャフトを引っこ抜いて、それをYZF-R1のステムアンダーにぶっ刺す方法を考えていたそうなんです。しかしながら、ドラッグスターの純正ステムがどうしても抜けそうになかった為、方針転換して新造することに。

見た感じはばっちりなのですが、こういう加工は実際に車体をお店に持ち込んで現物合わせしながら行うのが普通のようです。しかしながら今回な様々な理由でその工程を省略しており、このステムシャフトでばっちり寸法が合っているかどうかは少々不安が残るんだとか。早く組んで、確認したいところ。

 

トップブリッジ装着部のステムシャフトの径は、ドラッグスターとYZF-R1とでは異なります。上側の写真がドラッグスターの純正ステムシャフト、下側がYZF-R1の純正ステムシャフト。ステムナット部の太さが全然違うでしょ?

なので、今回のようにYZF-R1のステムアンダー・トップブリッジを使用するにも関わらず、ステムシャフトのみをドラッグスター用に新造してしてしまうと、元々YZF-R1用であるトップブリッジに対してシャフトが細くなってしまいトップブリッジをきっちりと装着することができません。

 

なので、ステムシャフトの交換と併せて、トップブリッジのステムシャフト差込部の径を小さくする為のスペーサーも製作して頂きました。トップブリッジ中央部の、銀色の部分がトップブリッジに圧入したスペーサーです。

 

スペーサーのお陰で、ドラッグスター用に新造したステムシャフトでもこのようにキッチリとトップブリッジを組み付けることが出来ました。

ところで、YZF-R1のアルミ製の中空ステムシャフトが鉄製のステムシャフトに置き換わったことで、びっくりするくらい重量は増加しました。YZF-R1のステムのあの驚くほどの軽さは、ステムシャフトによるところが大きかったんですね。

 

スロットルスリーブの加工

前回のパーツ収集の時にすっかり忘れていた、スロットルスリーブの準備。

今回のフロントフォーク倒立化では、費用を節約する為にフロントブレーキマスターシリンダー以外のパーツはドラッグスターの純正部品をそのまま流用します。

クラッチレバーホルダーとスイッチボックスはミリバー⇒インチバーの変換スペーサーを使用することで何ら問題なく流用出来るんだけど、問題はスロットルスリーブ。

ドラッグスターの純正スイッチボックスに使用するスロットルスリーブは当然1インチハンドルバー用。しかし、今回使用するハンドルバーは22.2mmの所謂ミリバー。ハンドルバーの周りを回転するスロットルスリーブには、変換スペーサーを挟むことなんて出来っこありません。

じゃあ、どうしよう?う~ん…

考えた末、辿り着いたのが2種類のスロットルスリーブを組み合わせる方法。

写真上側の白いのが汎用のミリバー用のスロットルスリーブ。下側の黒いのが1インチハンドルバー用のスロットルスリーブ。

 

1インチバー用のスロットルスリーブの方は、先っぽのワイヤーを引っ掛ける部分だけを切断。

そして、

ミリバー用のスロットルスリーブの方は、ワイヤーを引っ掛ける部分を丁寧に削り落とします。

そして、

加工した2つの部品を合体!

気持ちが良いくらいにぴったりでした。合体した部分は後々外れないよう、丁寧に接着します。接着剤の他、固定用のピンを打つと確実で良いですよ。

これで、外側は1インチハンドルバー用のサイズ、内側はミリバー用のサイズのスロットルホルダーが完成です。

 

各パーツの仮り組み付け作業

早速、加工を行ったステムを使用して各パーツを装着してみましょう。これまでいろいろと準備してきたけど、実際に組み付けてみないと分からないことだらけなので、もうほんとドッキドキ。

しかしながら、加工を行っているのはステムシャフトだけで、あとのパーツはほとんどYZF-R1の純正フロント周り一式。だから、ドラッグスターのフレームとステムシャフトの組み付けさえ問題なければ、後は特に問題なくサクサクと組み付けることが出来きるはず。

これが別々の車種の部品の組み合わせだと、ホイールのセンター出しだとかブレーキディスクのオフセット調整とかが必要になって、更に難易度がアップするんですよね。

 

というわけで、サクサクっとあっという間に組み立て。

最大の懸念であった”YZF-R1の改造ステムをちゃんと装着出来るか”という問題ですが、御覧の通り一応組み付けること自体はできました。しかしながら、ステムナットとステムシャフトのかかりが数山しかなく、精神的にどうも気持ちが悪い状態

ステムシャフト新造の際、フレームを持ち込まずにステムだけで加工を行ってもらったもんだから、こうなることは実は覚悟していました。むしろ、1回目の仮組み作業は正確な寸法や、問題点の洗い出すことが目的の作業のつもりだったんです。けど、実際にこうやって僅かでも不具合が出るとやっぱり凹むもの。

あわよくば一発OKだといいなぁ…という欲もありましたが、気持ち良く乗る為にももう一度作り直してもらうことになるでしょう。

 

カーボンフロントフェンダーの装着

フロントタイヤ丸出しはワイルドでとてもかっちょいいのですが、とてもじゃないですが雨の日に乗れなくなるのでやっぱりフロントフェンダーは必要です。

雨の日にフロントフェンダーが無いとどうなるか知っていますか?タイヤが跳ね上げた雨水が、前の方から飛んでくるんですよ。顔面目掛けて。どういう流れでそんなことになるのかはいまだに理解に苦しみますが、危険なのは間違いありません。

 

そこで用意したのがこちらのフロントフェンダー。なんと高級なドライカーボン製です。

実は最初はこんな贅沢な社外品ではなく、中古の純正品を用意してたんです。それも、2個も。ところが、そのどちらもフロントフォークと年式が異なり、装着出来ませんでした。ほんっと、YZF-R1って年式によっていろいろと違うんだもん。

いろいろと調べるのが面倒臭くなったので、対応年式がはっきりしている社外品を購入したってわけ。高級品だけど、フロントフェンダーはちっこい部品なのでまだ手が出るお値段だったしね。

 

YZF-R1のフェンダーはラバー製のグロメットを介して取り付ける方式。振動でフェンダーが割れない為の配慮でしょう。こういう細かい部分からも、YZF-R1ってお金掛かってるバイクだなぁって感じます。

フェンダーがないワイルドな状態もとてもかっちょいいですが、フェンダーが付いた状態もレーシーでとてもかっこいいですね。実際は全然レーシーじゃないバイクだけど。

 

ハンドルストッパーはそのまま使用可

実際に仮組みしてみて、ステムの組み付け以外にもいろいろと分かったことがあります。

まずはハンドルストッパー。

ハンドルストッパーって、フレーム側の凸部分と、ステムアンダー側の凹部分の組み合わせから構成されてますよね。だから、今回のように別の車種のステムを移植するとなると、このハンドルストッパーを加工したり製作し直さないとダメなケースがほとんど。

ところが、今回のドラッグスターのフレームとYZF-R1のステムという組み合わせに関しては、ハンドルストッパーは無改造で機能することが分かりました。これはラッキー!

 

ハンドルをフルロックさせた時のトップブリッジとタンクとのクリアランスはこんな感じ。結構ギリギリ。

こんなギリギリ状態なんだけど、ハンドルの切れ角自体はドラッグスターの純正よりも若干少なくなってます。というのも、YZF-R1はドラッグスターよりもフォークのオフセットが少ないので(つまり、フォークが車体側に近い)、切れ角が少ない割にはこういう状態になるんです。

ハンドルの切れ角の少なさが気になる場合は、ハンドルストッパーかそれが当たるステムを削ってやれば簡単に増やせるんだろうけど、タンクとトップブリッジがこんなにギリギリなので純正タンクのままでは切れ角を増やすことは無理っぽい感じ。

どうしても切れ角を増やしたい場合は、ステムアンダーのハンドルストッパーを削ることと併せて、よりナローな社外品のガソリンタンクに交換する必要があるでしょう。

 

セパハンはクソダサい

ハンドルバーは将来的にはバーハンにする予定だけど、今回はとりあえずの仮組みなので、簡単に装着できるセパハンを使用してみました。

アメリカンにセパハンって意外とアリじゃないの!?という淡い期待を頂いていたのですが、結果はご覧の通り超絶ダサダサ状態。

セパハンっていうのはやっぱりスリムな車体に似合うものであって、こんファットなタンクだと全然ダメですね。セパハンがタンクと接触するもんだから、セパハンもびろーんとだらしなく広がってしまっています。セパハンにしたければ、それに見合った車体構成にしないとダメということを痛感しました。

 

バーハン化は少し難しそう

試しにやってみたセパハンがダサダサだったんだけど、かといってバーハン化するのも一筋縄ではいかなさそう。

というのも、YZF-R1のステムはフォークのオフセットが少ない為、トップブリッジがかなりガソリンタンクに近いんです。そうなると、とてもじゃないですがハンドルポストを取り付けるスペースがないんです。ハンドルポストが、ガソリンタンクやメーターダッシュに接触するのです。

それを避ける為には写真のようなハイライザーにするなどの対策が必要になります。もしくは、ガソリンタンクをもっと小さいものに交換するとか?

バーハン化は絶対にしたいけど、かといってハイライザーはあまり好みじゃないから、どうするか考えないとダメですね。

 

試走してみてわかったこと

仮組段階でもいろいろと問題点が見えてきたフロントフォークの倒立化ですが、機能的なことは実際に走らせてみないとなかなか分かりません。そこで、まずは近所のごく短距離から始め、少しづつ距離も伸ばし、最終的にはツーリングなんかにも参加して、この倒立フォークの問題点を洗い出してみました。

 

剛性感はすごい

今回の倒立フォークへの交換は、当初はフルアジャスタブルのフロントフォークが欲しいという理由から始まってますが、倒立フォークを選んだこと自体は”見た目”というミーハーな理由。

そんなわけで、倒立フォークへの機能的な期待は一切無かったんですが、実際に走らせてみてはっきりと分かるのが、その剛性の高さ

わたしのような素人でもはっきりと分かるくらい、フロント周りがかっちり・がっしりとしてるんです。

以前、ロングフォークにした時はブレーキを掛けた時のグニャっとした感じや、カーブでの捻じれる感じにとても怖さを感じたものですが、完全の感覚はそれらとは完全に真逆の感じ。カーブも、ブレーキも、むっちゃ安心して行うことが出来ます。倒立フォーク、すげぇ。

 

セパハンは機能面でもダメ

仮組みとは言え初めて使用してみたダサダサのセパハンは、機能面でも全然ダメ。

予想していたことではあるんだけど、フォア―ドコントロールのステップ位置とセパハンの組み合わせはものすごく不自然な体勢で、操作性・快適性はどう考えてもこれまでより劣ります。ニーグリップもほとんどせず、どっしりとお尻に体重を掛けているような状態なくせにセパハンというのは本当に最悪なバランスで、これまで何てこともなかったような操作が一気に難しくなります。そう、例えばUターン。Uターンでコケました。ひっさしぶりに、コケました。

ダサいいし、操作性は最悪だし、セパハンのポン付けはほんといい点がないことが分かりました。どうにかしてさっさとバーハン化してやることにしましょう。

 

ブレーキのジャダーが気になる

今回全てを一新したフロントブレーキ周りですが、そこそこの速度で急ブレーキを掛けるとジャダー(細かい振動)が発生することが分かりました。

これの原因は多分、中古で購入したYZF-R1の純正フロントブレーキディスクで、事故や転倒で曲がりが発生してるんじゃないの?って感じ。

精密に曲がりを測定してみたら分かるかもしれないけど、測定したところで曲がりが直るわけでもないので、大人しく別のブレーキディスクを調達する必要がありそう。ブレーキディスクの中古ってこういうことがあるから怖いですよね。キャリパーやマスターリンダーと違ってオーバーホールも出来ませんし。

 

仮組のまとめ

注意ポイント

  1. ステムナットとステムシャフトの掛かりが数山しかなくて不安 ⇒ 作り直し
  2. セパハンは見た目的にも機能的にもダメダメ。けど、バーハン化する為に必要なハンドルポストを取り付ける場所がない。⇒ ガソリンタンク、交換しようか…
  3. ハンドルの切れ角は若干少ない。今後増やしたいならガソリンタンクの交換が必要
  4. ガソリンタンクを交換するなら、メーターの移設が必要
  5. 強めにフロントブレーキを掛けると、ジャダーを感じる ⇒ ブレーキディスク交換

残念ながらステムシャフトの寸法は完全に満足できるものではなかったから、もう一度作り直します。しかしながら、意外なことにYZF-R1のステムとドラッグスターのフレームの組み合わせが悪くなく、ハンドルストッパーの作り直しが必要ないのはとてもラッキーでした。

一方で、ドラッグスターの特徴でもあるあのデカいガソリンタンクが悪さをしており、いろいろと制約が出ていることも分かりました。スポーティーな倒立フォークとのマッチングも決して良くないので、この機会に交換してしまう方がよいでしょう。

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