エスケープR3通勤仕様。汗をかかずに激坂を登れるMTB化。

 

スポーツサイクルの入口として購入したGITNTのエスケープR3。

最初はその軽さとタイヤの細さによる走行性能の高さに舌を巻いたものだけど(ママチャリ比較)、その後ロードバイクとMTBを楽しむようになって分かったのは、スポーツサイクルとしてのクロスバイクの中途半端さ

当たり前のことなんだけど、舗装路での走行性能はロードバイクの方が優れるし、乗り心地や段差などへの対応力はMTBとでは雲泥の差。

じゃあクロスバイクの良さって何なのさ?と問われると、これはもう間違いなく街乗り性能の高さでしょう

そこそこ軽くて、そこそこ走行性能は高くて、サイドスタンドが付いていて、そして何よりもそこまで盗難に神経を使いすぎなくて良い価格。街乗り性能では速さよりも使い勝手の方がずっと重要なのだと感じています。

そんなわけで我が家のエスケープR3は通勤中心の街乗りマシーンとしていまだに大活躍。通勤仕様にするにあたってドライブトレインをごっそりMTB用に入れ替えていますので、その内容について紹介します。

北摂地域の通勤チャリ仕様に

わたしはこのエスケープを北摂地域(大阪府北部と兵庫県南東部)で使っているんです。大阪っていうと東京に次ぐ大都市だからさぞかし平坦だろうというイメージがあったんだけど、新大阪から箕面の山の方にかけて結構な数のアップダウンが続きます。兵庫県南東部にいたっては有名な六甲山の麓の地域ですからね。住宅地のど真ん中で突如として斜度10%超えの激坂が出現するんだから、最初は結構驚いたものです。

わたしのエスケープはクラシカルなデュラエースで2×10速化していたんだけど、これじゃあ北摂の坂道がきつすぎます。いや、もちろん漕げなくはないんだろうけどスーツと革靴でわざわざ重たいペダルを漕ぐ必要ありますか?ってわけ。いや、そんなの避けるべきでしょ。朝から汗だくは勘弁。

というわけで、今回わたしが求めているスペックはゆっくりでいいから斜度10%を超える坂道でも汗をかかずに登れるというもの。

その条件にぴったりのコンポーネントは?そう、MTBのドライブトレインだ!

 

クロスバイクのドライブトレインをMTB化

というわけで早速購入しましたのがこちらのパーツたち。中心となるのはシマノのALTUSシリーズ。シフターはM370系、リアディレイラーはM2000系の混合です。

今回使用するALTUS、このシリーズってあんまりよくわかんないんですよね。

以前はLIFESTYLE向けとMTB向けのどちらにも掲載されていたみたいなんだけど、現在ではLIFESTYLE向けブランドとしてのみシマノホームページには掲載されています。じゃあMTB用ではないかというと、ALTUSを含む下位グレードのブランドを統合したCUESがMTB用として掲載されているので、MTB用としてはCUESがALTUSの後継っぽい感じ。

じゃあ、なんでLIFESTYLEジャンルの方はALTUSが残っていてCUESじゃないの?とか、

ALTUSシリーズは2017年にM370系からM2000系にリニューアルされているはずなのに、なんで未だに新品のM370系のパーツが購入できちゃうの?とか、

もう何年もシマノの部品を購入し続けているけど、シマノの製品はほんとうに選ぶのが難解です。いくらなんでもシリーズが多すぎない?そして、その違いがユーザーには全然分かんなくない?なんというか、全体的にもう少し分かりやすくして欲しいものです。

 

パーツ選びはとても難解だけど、取り付け作業自体はとっても簡単。自転車の部品はしっかり規格化されていますからね。ただし簡単なのは取り付け作業だけで、その後の調整にはいつも苦労させられます。これまた難解なパーツ同士の互換性・相性の問題があるからです。

装着するパーツをすべて同じ年代の、同じグレードのものに揃えることができれば何も面倒はないんだろうけど、DIYでいろいろと触っているとどうしても年代やグレードの違う部品が混ざってしまうことや、それどころかメーカーすら異なる部品が混ざってしまいますから。

 

MTB用のパーツとしては一番下のグレードだと思うけど、リアディレイラーの質感は全然悪くありません。パッと見ただけではdeoreやSLXと全然質感の違いが分からない。街乗りでガシガシ使うにはなんだか勿体ない気持ちになっちゃいます。

 

一方でシフターの方はなんだか安っぽい雰囲気。でも、実際安いんだから仕方がない。操作感もなんだかぐにゃぐにゃしている点や、シフトアップは一方向側からしかできない点は、SLXなどのグレードとは明らかに違いますね。違うけど、そんなの通勤には全く支障はないから全然オッケー。

 

フロントは家に余っていた中華製のナローワイドリングでシングル化。MTBのケーキ2GSではずーっと1×11速で乗っているから、カセットスプロケットのギア構成がそこそこワイドならフロントがシングルでも一切不便さは感じないことは経験済み。フロントシングルだとシフト操作がシンプルになるし、何よりもチェーン落ちなどのトラブルの可能性が低くなるからわたしは大好きです。朝の時間がない出勤時にチェーン落ちなんて、絶対嫌ですもんね。

 

そうそう、エスケープR3の純正クランクではプラスチック製のリングガードがついていたけど、フロントクランクを社外製に交換したのでチェーンリングは剥き出し状態。このままだとスーツのズボンにチェーンオイルが付着したり、最悪ズボンの裾がチェーンに巻き込む可能性も。そうならないように購入したのがこちらのリングガード。クランク同様、価格重視の中華製品をチョイス。

 

この製品は40T-42T用のものなんだけど、わたしは36Tのチェーンリングと組み合わせ。サイズ感はこんな感じで、しっかりカバーしてくれそう。たぶん42Tなんかと組み合わせるとチェーンガードとしての効果は低くなりそうなサイズ感。

裏返せば真っ黒仕様にすることができるんだけど、遊び心で敢えてこのよく分からない模様の面を表にして組み上げてみました。クランクもそうなんだけど、こういう余計な装飾は無い方が売れるんじゃないの?って思っちゃいます。コストがかからないならまぁお好きに・・・って感じだけど、このプリントするだけで絶対コストは掛かってますからね。せっかくコストをかけるんなら、もっと無難なデザインにできないもんなのかなぁ?

 

ディレイラーの調整にはかなり手間取ったけど、一応完成。今回の変更により、ギア比は下記表のとおりになりました。

ギア比はペダル一回転で後輪が何回転回るかって指標だから、エスケープR3の純正と比較しても最高速が低下している代わりに登坂能力がアップするというセッティング(最大ギア比も最小ギア比も低くなっている)。

とにかく激坂をゆっくりでいいから楽に登りたいというのが最重要なんだから、最高速なんてどうでもいんです。どうせ通勤時間帯の道路でスピード出しても危ないだけなんだし。これで北摂地域での通勤も楽々?

 

歩道の段差対策でタイヤも太く

自転車は軽車両だから車道左端の走行が基本、ということはもちろん知っているけど、都会の通勤時間帯に車道を自転車で走るのは正直現実的ではありません。

というわけで最新の注意を払いながらゆっくり歩道を走るわけなんだけど、そうなると気を付けなきゃいけないのが歩道などの段差。

これまで使用していたのはミシュランのリチオン2。街乗りとか練習用とかのどちらかというと経済性重視の製品だとは思うけど、25Cのロードバイク向けタイヤ。

いくら競技志向ではないとはいっても、そこはやはり細くて空気圧の高いロードバイク用。段差をバンバン乗り越えなきゃいけない通勤用自転車にはややミスマッチなのです。

 

というわけで購入したのはパナレーサーのパセラ。サイズは32C。もっと太くしたかったんだけど、どのサイズまで装着できるかはやってみないと分からないので、まずは無難な32Cから。各部の寸法や乗り心地を確認しつつ、可能なら次の交換のタイミングでもう少し太いやつに挑戦しようかな。

 

会社にいかなければならない憂鬱な気分を少しでもアゲてくれるよう、わたしが大好きなタンカラーをチョイス。ほんとうは、IRCのFORMULA PROのタンカラーの方が渋くてかっちょいいなぁって思っていたんだけど、わたしが購入しようとしたときはどこの店舗も品切れで購入できなかったのです。妥協する形でこのパナレーサーのパセラを買ったんだけど、実際に装着してみるとこの明るめのタンカラーも白いフレームに合っていてとってもいい感じ。価格もかなり安いし、通勤などの街乗り用途にはかなりいいんじゃないでしょうか。

 

都会で自転車に乗るならしっかりした鍵も

そのまんまなんだけど、盗難対策としてゴツいロックを探しました。ワイヤーなんて工具があればすぐに切れちゃうし、ロードバイクのように重量を気にする必要もないし。

というわけで、Amazonでできる限り頑丈そうなやつを見つけてきました。がっつり中国語の製品だけど、U字ロックを購入したら地球ロック用のワイヤーまでおまけでついてくる気前の良さ。中国のコスト設計ってどうなってんの?まさに恐るべし中華パワー。

 

U字ロック製品の内容物はこんな感じ。U字ロック本体の表面はゴムっぽいソフトな質感だから、ガチャガチャしたり傷が付かないのがとてもいい感じ。

 

鍵穴にはプラスチック製だけどシャッターがついている!すごい!・・・と思ったんだけど、別に防水処理がされているわけでもないので、このシャッターがあるからといって雨水の侵入を防いでくれるというわけではなさそう。もちろんシャッターは誰でも開閉できるので、いたずら防止対策になるってわけでもない。

 

こちらはU字ロックを車体に取り付けるためのブラケットとバンド。どちらも樹脂製です。バンドを締め付けるイモネジがプラスで、しかもマッハでサビそうな材質なのがめーーーっちゃ気になります。

 

自転車に取り付けるとこんな感じ。ペダルを漕ぐときにいかにも内腿に当たりそうな感じですが、実際漕いでみるとギリギリ内腿に当たりません。でも本当の本当にギリギリ。それよりもわたしは取り付けたときのダサさの方が気になるなぁ。実用品で仕方がないとはいえ、これはあんまりだぁ。

 

エスケープR3の通勤仕様が完成。激坂も楽々。

というわけで、通勤仕様へとリニューアルしましたわたしのエスケープ。1×9という変速段数の少なさにも関わらず、ワイドなギアレシオのカセットスプロケットのお陰で北摂の激坂でもスイスイ上れるようになりました。

ただ、いくらスイスイといっても所詮は人力100%だから、走行性能としては電動アシスト自転車の方が優れているのは間違いないでしょう。

しかしながら、価格の安さ、充電不要の手軽さ、車体の軽さなどクロスバイクならではのメリットもいっぱい。やっぱり手軽さと走行性能のバランスの良さがクロスバイクの最大の特徴なんだろうなぁ、と日々実感しています。

 

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