ミリタリー

青野原駐屯地創設47周年記念行事『155mmりゅう弾砲FH-70』

 

バイクが大好きなわたしは、車とか他の乗り物もそこそこ好き。そして、乗り物好きであれば多かれ少なかれ興味を惹かれるのがミリタリー車両。

ミリタリー車両(軍用車両)はよく高速道路を走行しているのを目にしますが、近付いてまじまじと見る機会となるとなかなかありません。そんな我々一般市民にとって身近とはいえないミリタリー車両を、すぐ目の前で見たり、なんなら触ったりできる機会が稀にあるんです。

そんな数少ない機会の一つが、先週末5/28に青野ヶ原駐屯地で催されていましたので、朝からいそいそと出かけてきました。コロナ禍によりこの手のイベントは随分ご無沙汰でしたが、以前にも青野ヶ原駐屯地のイベントに行ったことがあるんですよ。前回行ったときはものすごく見ごたえを感じたので、今回久しぶりに開催されるのをとても心待ちにしていました。

 

空砲とはいえ演習は大迫力

自衛隊の演習といえば富士総合火力演習が有名ですけど、この青野ヶ原駐屯地でも演習(のような)装備紹介が行われます。実弾を使うわけでもないし、詳しい人からすると小規模なものなのかもしれないけど、ド素人のわたしからすると十分ド迫力。

内容は敵陣地を攻撃するため、まずは支援砲撃をして、そのあと歩兵が突撃って流れだと思うんだけど、その支援砲撃の迫力がすんごいです。わずか数十メートル先で砲撃が行われるんだけど、あんなデカい爆発音を聞くことなんて日常生活ではまずないもんだから、ほんとうにびっくりします。ちびっこ達は大号泣。兵器だから怖いのは当たり前なんだけどね。

相変わらずものすごい迫力なんだけど、前回と違って今回はヘリコプターが登場しなかったのがちょっと残念でした。

 

155mmりゅう弾砲FH-70

ド迫力のFH-70

そんな大迫力の砲撃をおこなっていたのが、多分これ。多分っていうのは、わたしの立ち位置が悪くて撃っている瞬間は見えなかったので・・・。

155mmりゅう弾砲FH-70。

誰がみても一目瞭然、でっかい大砲です。通常弾で射程は24kmなのだとか。24km先のものにどうやって狙いをつけるの?当てることってできるものなの?と素人のわたしは思っちゃいます。

 

画像ではなかなか伝わらないこのデカさ・・・。

この大砲は牽引して動かすのが基本っぽいですが、スバル製の対向エンジンを積んでいるので自走もできるのだとか。Youtubeなどで自走している状態の動画がありましたので確認しましたが、思っていたよりも軽やかに走るのですね。

 

変形ギミックのある牽引アーム

牽引時の引っ張るアーム部分は、砲撃時にはこのように大きく左右の展開して砲脚となります。砲脚ブレードというスコップみたいなので、砲撃時に後退するのを防ぐみたい。この砲脚の上にちびっ子が乗っていることからもわかりますように、見放題・触り放題です。

 

砲脚は牽引・自走時はパタンと折りたたまれるわけですが、その際は砲脚に取り付けられている左右1個づつのタイヤが前輪(牽引時)となるわけです。砲撃時にはタイヤは不要なので、こうやって地面から浮くようになっているんですね。

 

タイヤの上げ下げを行っているのはどうやらコンプレッサー?手前側にエアシリンダーらしきものがみえます。ミリタリーカラーに塗装されているので特別感がすごいですが、よく見ると見慣れた雰囲気の部品なんかも普通にあります。

ところで、カーキ色のボックスとその下のタンクっぽいのは片側の砲脚にしかついていません。ケーブルは牽引関連のハーネスのような気もするけど、ボックスやタンクはなんなんでしょうね。

 

装填部分はとてもメカニカル

砲脚部分はなんだか見慣れた雰囲気の部品もあったけど、我々一般人が普段まず目にすることがないのが、大砲の心臓部分。

大きく開いた砲脚のど真ん中に位置するのがこの大砲の発射機後部。「大砲」っていうと昔ながらのシンプルな構造のイメージを思い浮かべますが(海賊船の大砲のイメージね)、それとはまったく異なるとてもメカニカルな造りをしています。

 

ここに砲弾をセットするんですね。Youtubeなどでは実際の砲撃時のオペレーションの様子なんかも紹介されていますが、思っていたよりも砲撃時の操作は複雑そうでした。砲弾は1個43.5kgあるそうですが、それを6発/分の速度で手動で給弾するのです。

んー、43.5kgなんて、普通の人は1回持ち上げることができただけでも大したものじゃないですか?それを特定の場所に正確に置くのを、ものすごい速さで繰り返すのです。それだけで自衛官の方がいかにものすごいパワーを持っているのかが分かります。

 

画像じゃ見えませんが、「砲身部組み立て/製造番号-○○/製造番号-△△/株式会社日本製鋼所」の銘板が。そう、このりゅう弾砲は国内生産なのです。インターネット上の情報によると、価格は約3億6000万円なんだとか。車と比べたらめちゃくちゃ高いけど、少数しか生産しない設備としたら案外安いんだなぁとわたしは感じましたが、どうでしょう?

 

座席にも座ることができます

先ほどちびっ子が砲脚の上に乗っていましたが、なんとこのイベントでは座席にも座ることができます。

まずはこの部分。わかりにくいですが、表皮が破れてスポンジがこんにちはしているのが座面です。この部分に座る人は砲塔の角度を調整する役割?座席横のハンドルをぐるぐる回すことで仰角を変更できるみたいです。てっきりもっと電子制御化が進んでいるものだと思っていましたが、案外アナログな機構なのですね。Wikipedia先生によると設計は1,960~1,970年台のようですから、当然といえば当然なのかもしれません。

 

こちらの座席にはペダルもあるし、タコメーター・燃料計・温度計といった計器も。ということは、ここは自走時の運転席?各種インジケーターが武骨でかっこいい造りをしています。この質感、車やバイクでも取り入れたらかっこいいでしょうね。

 

ド迫力のFH-70は来場者に大人気でした

というわけで、本日は自衛隊のイベントで遭遇した『155mmりゅう弾砲FH-70』のご紹介でした。大砲なんて日頃目にする機会なんてまずないから、ミリタリー好き(と思われる人)はもちろんのこと、わたしのようなあまり詳しくない人、そしてちびっ子たちにもこのFH-70は大人気のようでした。

戦闘に使う道具が大人気っていうのも複雑な気持ちですが、ちゃんと自衛のためにいろんな装備を整え、自衛官の方が訓練を重ねているということについての理解を深めることができるいい機会なんじゃないかなぁと感じました。40kgを超える砲弾を次々装填されるってだけで、わたしは自衛官の方すげーって尊敬しまくりです。

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