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純正スイッチボックスがとにかく気に入らない
私がこのBUELL XB9Rを所有した1日目から気になっていたのが、このスイッチボックスのダサさ、安っぽさ。
プラスチック丸出しの質感もどーかと思うし、
ハザードスイッチを省略した穴なんて適当に塞いでるだけじゃないか!
清々しいまでに汎用部品をちょちょっと転用しました感溢れる部品で、とても新車で100万円オーバーの大型バイクの部品とは思えません。
ハーレーとかducati並みとは言わないから、もう少し質感頑張って欲しいな・・・と言いたいところですが、私は中古でお安く購入してますし、そもそも文句をいうメーカー自体が無くなっているので、気に入らない部品はさっさと自分で交換してやることにしましょう。
改造の選択肢は意外と少ない
とりあえず純正が気に入らないのは間違いないんだけど、それをどう改造するかは全く決まりません。
というのも、かっちょいい社外のパーツが見つからないのです。
いや、かっちょいい、かっちょよくない以前に、スイッチボックスの社外部品って他の部品に比べて全然ないんですよね。最近はチャイナ製のいかにも安物チックなスイッチボックスが多く出回ってますが、はっきり言ってダサいので全く問題外。
3930 コンパクト 集中スイッチ ボックス ハンドル 22mm 汎用
写真だけじゃそれなりに見えるけど、実際はかなり大きい上に超プラスチッキーなのでまるで問題外!
でも、なんでこんなに社外品が少ないんだろー?って理由を想像してみると、
- 使い易さでは純正が一番
- もしくは、他メーカーの純正部品が一番
- そもそも交換する必要を感じる人が少ない
- そして、どうせ改造するならスイッチボックスレスにする
といったところでしょうか。
つまりいずれの理由だろうが、せっかく社外品を開発してもそんなに需要がないんじゃないかと想像してます。
高級スポーツバイク向けの削りだしのスリムでカッコイイ部品とかはあるけど、かなり高級なものなのでやはり"一般的"なカスタムパーツとは言えなさそうだし。もちろんそんなの買えません。カッコいいんですけどね。
社外品に期待できないとなると、残された手段は他車種の純正部品スイッチボックスを流用するか、スイッチボックス自体を省略するしかないなぁ。
右スイッチボックスの選定
ご存知の通りスイッチボックスは左右にありますが、まずは右の方から。
純正の右スイッチボックスはスロットルホルダーを兼ねていますので、スイッチボックスを交換する為にはスロットル系統も丸々交換する必要があります。
ハイスロなんてどうでしょう?
スロットルは操作感に直結する重要な部分。BUELLというバイクの性格上、純正のスロットル一式をハイスロキットに交換するオーナーさんは多いみたい。
その場合、キルスイッチとセルスイッチはスロットルホルダーとは別体式のスリムなものに交換するのが鉄板かな。XJR1300のスイッチボックスなんて、スマートでいいですよね!プラスチック感はあるけど・・・
でも私は街乗りオンリーだから素早くスロットル操作することなんてありません。そもそもスポーツ走行なんて、怖くて無理!
そうなるとハイスロの必要性は全くありません。それに、ハイスロによくある削り出しの高い質感と、巻きとり部の巨大化による大っきいボディは正直全然好みではありません。
なので、BUELLでは一般的なハイスロ+別体式スイッチボックスの組み合わせは早々にパスすることに決定。
SRのスイッチボックスが良い造形だ!
そんな私が目をつけたのが、他車種の純正スロットルホルダー一体型のスイッチボックス流用。
世の中には数多くのメーカー純正スイッチボックスがあり、まさによりどりみどりなわけですが、私の好みはアルミ鋳造ボディで、レトロな雰囲気のもの。
いろいろ探した結果、
ヤマハSRのものと、
カワサキ エストレアの物が良い感じ。
どちらもアルミボディなので磨けばピカピカ光るし、操作性も信頼性も国内メーカー純正品なので全く問題ないでしょう。
どちらを付けようか迷ったんだけど、SRのものを取り付けることにしました。
SRのスロットルワイヤーの形状の方がBUELL XBモデルに相性が良く、自然な取り回しにできたからです。
SRスイッチボックスをBUELLに取り付けるぞ
まずはBUELL純正品を分解
流用するにあたり、SRのスイッチボックスでもきちんとスイッチを操作できるよう、まずはBUELL XBの純正スイッチボックスをバラしてどういう配線になっているのか確認。
白黒とグレーがキルスイッチ、赤黒と白黒がスタータースイッチであることが分かりました。当たり前ですが、サービスマニュアル通り。
配線の色はサービスマニュアルを見れば分解せずとも分かるのですが、スイッチの仕組みはサービスマニュアルでは分かりません。
分解の結果、BUELL XBのスタータースイッチはONで通電、キルスイッチも始動OKの位置で通電することが分かりました。
続いてSR純正品を分解
続いてSRのスイッチボックスを分解・・・って、うわ!汚い!配線が全部真っ黒。
この後、パーツクリーナーで軽く洗浄したら、各配線の色が明らかになりました。
SRはキックスタートオンリーの硬派なバイクなので、スタータースイッチがありません。キックの無いBUELLさんにはキックが無いので、そのままでは始動出来なくなっちゃいます。
なので、とりあえずは使わないハザードスイッチを臨時のスタータースイッチに流用することにします。スタータースイッチはそのうちどこかにかっこいいスイッチで作り直しましょう。
ハザードスイッチには4本の配線が繋がっています。必要なのはON-OFFの二本だけなので、不要な線はハンダを溶かして間引いときます。
なおこのハザードスイッチですが、今回入手した別の古い年式のSRのスイッチボックスではヘッドライトスイッチになっていました。中身はOFF-ポジション-ONの3極スイッチでした。SRのように歴史の長いバイクだと、同じように見えても年式によってはいろいろ違いがあるんですねー。
話はBUELLに戻りまして、配線の調査と間引きが完了したら各部を綺麗に洗浄して、組み立て。
最初はこれ使えるの?って見た目でしたが、意外と綺麗になってくれました。
キルスイッチで大苦戦
SRのスイッチボックスを流用する上で一つ問題が発覚しまして、それはキルスイッチ。
先程、BUELLのキルスイッチは電気が通電してエンジン始動可と書きましたが、ほとんどのモデルのYAMAHA SRのキルスイッチの仕組みはその真逆であることが分かりました。
つまり、キルスイッチの配線は基本通電してなくて、僅かでも通電したらエンジンが止まる仕組み(FI化された高年式のモデルはBUELLと同じような仕組みらしいけど)。
写真の部品はキルスイッチを分解したときのものなんだけど、センターの位置で始動OK(電気的にはカット)状態、ダイヤル状のスイッチを左右に回すと、電気が通電してエンジン始動不可となるのです。
それだけだったら、キルスイッチのONとOFFのスイッチ位置を逆にするだけで簡単に流用できるんだけど、困ったことにSRのキルスイッチ系統は電気を流そうとすると漏電しまくりのような造りなのです。
写真を見てもらったら分かる通り、そもそも配線が金属製のスイッチボックスに接触してるじゃないか!!
こんなところに通電させた日には、ヒューズが一瞬で飛ぶのは間違いないでしょう。いや、飛びます。飛びまくりました。
キルスイッチの電気的な仕組み真逆というだけで、スイッチボックスの構造もこうも違うのですね。
各配線の絶縁をしっかりすることでBUELLでも使えるようにはなりましたが、予想外に結構苦労させられました。
そして、多くの15Aヒューズが犠牲になりました。ちーん。
コネクタはAMPタイプマルチロックコネクタ化
後々簡単に純正に戻せるよう、メインハーネスとは純正と同じAMPコネクタで接続します。使用するのは4極タイプ。ハーレーディーラーに買いに行くのも手間なので、もっぱらNAMZの製品を取り寄せています。
AMPコネクタに関してはこちらの投稿でがっつりまとめておりますよ。
これで、カプラーオン(コネクターオン?)でスイッチボックスを交換することができます。
AMPコネクタのターミナル(端子)は普通の圧着工具では綺麗に形がでず、コネクタにうまく入りません。圧着した後に、プライヤーなんかで整形してやればとりあえず形になってくれました。
ごくごく普通の圧着工具ではどうやっても綺麗に圧着できません。多分、工具自体の厚みが圧倒的に不足しているのと、ターミナルの形状がAMPタイプは真四角で特殊だからなんでしょう。
でも、このターミナルってハーレーでも使われてるし、社外からいくらでも専用の圧着工具がでていてもおかしくないのですが・・・どうもなかなか対応するものが見つかりません。
(追記)後日、AMPコネクタでも綺麗に圧着できる工具を発見しましたよ!
スロットルワイヤーは専用に自作
スロットルワイヤーはSR純正スロットルワイヤーをベースに、ちょうどいい長さ、ちょうどいい引きしろ、ちょうどいいスロットルボディ取り付け部になるように改造しました。
手法はまた別の機会にご紹介しましょう。
スロットルボディ側も、差し込み形状からナットでの挟み込み形状で取り付けられるように小加工。
この加工をすることで、取り付けできるワイヤーの幅がぐんと広がります。汎用のハイスロ用ワイヤー取り付けにもお勧めの加工です。
完成!
配線作業とスロットルワイヤーの製作を行うことで、無事SR純正のスイッチボックス一体型スロットルホルダーをBUELL XB9Rに取り付けることができました。
後々考えると、せっかくSRのように豊富な社外部品がある車種のスイッチボックスを選んだんだから、探せば無加工で取り付けることができるスロットルワイヤーがあったかもしれませんね。
レトロな見た目と、アルミポリッシュならではの優しい輝きが大のお気に入り。
ポリッシュしたトップブリッジとのマッチングもなかなか良いではありませんか?
さぁ、次は配線がもっとややこしい、左側スイッチボックスだ!!