難関のリアアイソレーターを組み込み、なんちゃってローリングシャシー状態となった私のM2サイクロン。フロント周りはまだついていませんが、SPF材で作った台車のお陰でなんとか動かすことができるようになりました。動かせないバイクは本当に邪魔ですから、これだけでも大きな進歩。
しかしながら、当然のことながらこんな台車では安定感がイマイチなので、やっぱりはやくフロント周りも組み立てたいものですね。
そんなわけでステムも購入したんですが、現物が届いてびっくり。M2サイクロンの部品としてヤフオクに出品されていたこちらのステム一式、なんとX1用のものでした。M2サイクロンは正立フォーク、X1ライトニングは倒立フォークなので、当然ですがそのままでは使用できません。残念ながら作業が止まっております。
なんてこった・・・もう手元にはM2サイクロン用の正立フォークまであるというのに・・・。
とりあえずX1用のステムを仮組み。こいつを活かすならばX1用のフォークが必要になるし、M2のフォークを活かすならばこいつは無駄になります。あー、勿体ない!
ところでこのステム一式。XB系ビューエルと比べるとアンダーブリッジ・トップブリッジ共に厚みが薄く、素人目に見てもXB系ビューエルよりも剛性は低そうな感じ。ライザー一体式というのも、カスタムする点では自由度が低くてあまり向いていませんね。
あれ?そういえば・・・
と、いそいそと取り出したるは、XB9Rの純正トップブリッジ。なんとなくだけど、X1のトップブリッジの寸法がこいつに似ているように感じたのです。感じちゃったからには、現物で比較しようってわけ。
というのも、わたしはX1用の倒立フォークは持っていないけど、XB系の倒立フォークなら有り余っています。
倒立フォークを流用するにはトップブリッジでの取り付け径、ステムアンダーでの取り付け径、アクスルシャフト周りの寸法の3点は最低でもクリアしないといけませんが、うまくいけばひょっとして?という淡い期待を抱いてしまったのです。
XB9RのトップブリッジをX1のトップブリッジにあてがってみると、なんとまぁ、トップブリッジ取り付け部のフォーク径がぴったりではありませんか!!
そしてなんと驚くべきことに、同時にもう片方のフォーククランプ部の位置もぴったり合っています。つまりこれがどういうことかというと、フォーク径だけでなくフォークの取り付けピッチも一緒ってことです。まだステムアンダー部の寸法が確認できていないけど、これはひょっとするとXB9R用のフロント一式がポン付けできるのでは??
というわけで、早速ガレージの奥からXB9Rのフロントフォークを引っ張り出してきました。こちらは初期型のXB9Rに採用されていたもので、フォーク径が細いタイプのものです。
XB系ビューエルのフロントフォークにも細々とした違いでいろんな種類があるけど、XB9系・XB12Scgを除く2005年以降のモデルではインナーチューブの径が2mm太くなったのは有名は話。そのマイナーチェンジにより、当然アウターチューブやステムアンダーの寸法も変更されています。トップブリッジ部分の寸法はどの年式でも同じはず。
とりあえず、まずはその細いタイプのものを試しにステムアンダーに差し込んでみたんだけど、なんとこの部分の寸法もX1のステムアンダーにぴったりでした。
ということは、XB9RのフロントフォークはX1のステム一式にポンづけできるということが分かりました。とはいうものの、XB系ビューエルのフロントフォークはトップブリッジとステムアンダーの間がくびれている形状なので、多少突き出し気味にしないと取り付けできないという問題はあります。突き出し量のセッティングの自由度はとても狭いということです。
なお、XB9Rの細いタイプがX1ステムにポン付けできるということは、2005年以降のモデルで主に使用されていた太いタイプはそのままでは使えないということでもあります。
困ったことにプリロードアジャスターがハンドルバーに接触するので、一般的なハンドルバーとの併用は無理っぽそうです。トップブリッジを一部の年式のS1で採用されていたライザー別体式のものに交換するといい感じでしょうね。ただ、そのトップブリッジは本当に中古市場で見かけないので、もしかしたらレアパーツなのかも。
左右のフロントフォークを取り付けて、
フロントホイールをセットアップ。
フロントフォークを他車種に流用する場合、ステムが違えば当然フォークの取り付けピッチも変わることがほとんどでしょう。その為ホイールの加工やホイールカラー、アクスルシャフトの製作が必要になります。ところがX1とXB9Rとではフォークの取り付けピッチは(素人目にみて)全く同じ。その為このようにホイールも無加工でセット出来ました。
とりあえずの仮組みなのできっちり寸法を確認したわけではないけど、感覚的にはいつものXB9Rと全く同じ組み立て具合。もちろんこの部分は安全性に直結する部分なので、後々ちゃんと寸法の確認はするつもり。でも、ここまでぴっちり装着できることを考えると、きっと同じ寸法なんでしょうね。
そんなわけで、M2サイクロンなのにすっかりお馴染みのXB系のフロント周りになっちゃいました。
性能は賛否両論あるZTLブレーキですが、Buellのアイディンティティの一つでもあるのでわたしはこのブレーキシステムがかなり大好きです。少なくともこの見た目は完全に"有り"なのです。
そうそう、現状のトップブリッジではハンドルバーは装着できなくなってしまったので、とりあえず余っていたロビー・モト・エンジニアリングのセパハンを取り付けてみました。これはこれでなかなかかっちょいいではありませんか。
しかしながら、このM2サイクロンはのんびり走らせるバイクにする予定なので、やっぱり将来的にはバーハンドル仕様にしたいところ。そもそもS1・M2・X1でのセパハンはめちゃくちゃポジションがきついとも聞きますし。
トップブリッジを加工してライザーを取り付けるか、はたまたロボハンのような特殊な形状のハンドルバーを取り付けるか、気長にライザー別体式のトップブリッジを探すか・・・。のんびり検討することにしましょう。
意外なことにすんなり組み付けることができたXB9Rのフロント周り。
海外のカスタムではXB系のステムごと装着している車両を見かけたことがありますが、X1のステムにXBのフロントフォークとホイールをポン付けできるのは知りませんでした。ほんっと、びっくり。
でも、もしかして、これって、エボ系ビューエルオーナーでは常識だったりします?
X1ステムとはこXB9系やXB12Scgの細いフロントフォークしか組み合わせることができませんが、XB系用のステムまるごと移植することができればもちろんそんな制約もありません。この組み合わせはまだ確認できていないので、そのうち試してみたいと思います。